漫画家まどの一哉ブログ
「文豪の女遍歴」 小谷野敦
読書
「文豪の女遍歴」小谷野敦 著
(幻冬舎文庫)
文士の姦通に関する本を読んだので、続けてこちらも読んでみた。62名もの近・現代作家の醜聞を憶測も含めて紹介。下世話な趣味をあえて選んで編まれたデータベース的な一冊。
62名も登場するので、一作家あたり2~3ページのごく短い内容となり表面的な記述に終わってしまう作家もある。もう少し作家数を減らしてそのぶん作家論的な視野もあってもよかったような気がする。ただ覗き見趣味がけして良い印象ではないので、読後げんなりしてしまうかもしれない。
太宰治が実は片思いや道化役などしないプライドの高い男だったという見立てはなるほどと思った。また島尾敏雄「死の棘」に対する吉本隆明の評論を例にあげて、「解釈装置に当てはめないと文学を読めない文藝評論家の脆弱性」との批判は直球で正解だ。
ところでそもそも作者の道ならぬ男女関係が作品に書かれていること自体がなんだかつまらない。作品自体は良いものがあるにしても、実体験がなければ書けないとなるとそこが寂しい。たとえ短編でも自身の人生とは無関係に話や人物を作り上げる妄想過多な作品が好きだ。ただし読んでいる分には由来まではわからないが…。
「文豪の女遍歴」小谷野敦 著
(幻冬舎文庫)
文士の姦通に関する本を読んだので、続けてこちらも読んでみた。62名もの近・現代作家の醜聞を憶測も含めて紹介。下世話な趣味をあえて選んで編まれたデータベース的な一冊。
62名も登場するので、一作家あたり2~3ページのごく短い内容となり表面的な記述に終わってしまう作家もある。もう少し作家数を減らしてそのぶん作家論的な視野もあってもよかったような気がする。ただ覗き見趣味がけして良い印象ではないので、読後げんなりしてしまうかもしれない。
太宰治が実は片思いや道化役などしないプライドの高い男だったという見立てはなるほどと思った。また島尾敏雄「死の棘」に対する吉本隆明の評論を例にあげて、「解釈装置に当てはめないと文学を読めない文藝評論家の脆弱性」との批判は直球で正解だ。
ところでそもそも作者の道ならぬ男女関係が作品に書かれていること自体がなんだかつまらない。作品自体は良いものがあるにしても、実体験がなければ書けないとなるとそこが寂しい。たとえ短編でも自身の人生とは無関係に話や人物を作り上げる妄想過多な作品が好きだ。ただし読んでいる分には由来まではわからないが…。
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