漫画家まどの一哉ブログ
「悪童日記」 アゴタ・クリストフ
読書
「悪童日記」 アゴタ・クリストフ 作
ついに読んだぞ、人気の「悪童日記」。子供を主人公にした話がなんとなく苦手で遠ざけていたが、こいつら(双子の主人公)頭が良くて大人以上にしたたかで、子供らしいピュアなところが全くなくてよかった。劣悪な環境に放置され、良い子でいなさいという圧力もない場合、こうやって生きる知恵を育んでいくのかもしれない。周りにヤクザ(組織暴力)な人たちがいればたちどころにそのやり方を学ぶだろう。
「悪童日記」 アゴタ・クリストフ 作
ついに読んだぞ、人気の「悪童日記」。子供を主人公にした話がなんとなく苦手で遠ざけていたが、こいつら(双子の主人公)頭が良くて大人以上にしたたかで、子供らしいピュアなところが全くなくてよかった。劣悪な環境に放置され、良い子でいなさいという圧力もない場合、こうやって生きる知恵を育んでいくのかもしれない。周りにヤクザ(組織暴力)な人たちがいればたちどころにそのやり方を学ぶだろう。
ハンガリーの地方都市が、ナチスドイツによる支配からソビエトによる支配へと激変する状態で、大人たちが混乱と絶望の中にいるのだからただ事ではないのだ。
さればこそ、この日記で少年たちが基本としている「第三者が納得出来る客観的事実のみを書く」といった姿勢は、単に著述の形式にとどまらず、この環境で生き残っていくための世界把握の基本姿勢でもあるのだろう。
何が事実かを把握することは傷みを伴うことであり、この双子がひたすら試練に耐える練習を繰り返したのはそのためである。そうでないと大人でもすぐ騙される。
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