漫画家まどの一哉ブログ
「工場」 小山田浩子
読書
「工場」小山田浩子 作
(新潮文庫)
ひとつの街に匹敵する巨大工場。与えれた仕事はシュレッダー、文字校正、コケ観察など…どこか納得できないまま繰り返される不思議な日常。
大きなくくりでカフカ的と言ってしまえばそれでもいいんだけど、この微妙な違和感をおもしろく描くにはやはり技が必要で、この作者の場合すごく読み易い日常感たっぷりの素直な文体がいいのだろうと思う。
大きな河をまたいでバスが走る、住宅もショップもあちこちに点在する巨大工場。併催の作品でも職場のリアルがあれこれと繰り出されるが、こういう日常はこのありえないほどの大工場という設定に放り込むと、たちどころに逆転して謎めいてくる。
やってる仕事は大きな流れの中のごく末端の不毛感漂うもので、それでも繰り返される毎日はありがちな我々の労働現場に他ならず、おなじみの倦怠感はあるのだが、河をまたぐ大きな橋まで歩いてそこにしか生息しない真っ黒な鳥の群れを見たりすると、異世界に投げ込まれていることに気づくという按配だ。
「工場」小山田浩子 作
(新潮文庫)
ひとつの街に匹敵する巨大工場。与えれた仕事はシュレッダー、文字校正、コケ観察など…どこか納得できないまま繰り返される不思議な日常。
大きなくくりでカフカ的と言ってしまえばそれでもいいんだけど、この微妙な違和感をおもしろく描くにはやはり技が必要で、この作者の場合すごく読み易い日常感たっぷりの素直な文体がいいのだろうと思う。
大きな河をまたいでバスが走る、住宅もショップもあちこちに点在する巨大工場。併催の作品でも職場のリアルがあれこれと繰り出されるが、こういう日常はこのありえないほどの大工場という設定に放り込むと、たちどころに逆転して謎めいてくる。
やってる仕事は大きな流れの中のごく末端の不毛感漂うもので、それでも繰り返される毎日はありがちな我々の労働現場に他ならず、おなじみの倦怠感はあるのだが、河をまたぐ大きな橋まで歩いてそこにしか生息しない真っ黒な鳥の群れを見たりすると、異世界に投げ込まれていることに気づくという按配だ。
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