漫画家まどの一哉ブログ
「夜と霧の隅で」 北杜夫
読書
「夜と霧の隅で」北杜夫 作
「夜と霧の隅で」:第二次大戦下、敗北間近のナチスドイツ。回復不能な患者たちをガス室へ送り込む政策に翻弄される精神病院が舞台。少しでも抵抗しようと無謀な回復治療に走る医師やユダヤ女性を妻に持つ日本人患者の悲劇。
実に恐ろしい世界。味わいはあまりない文章だが、かえって冷酷な恐怖が身に迫る。唯一の日本人患者が次第に精神が混乱していき、妄想と現実の間を段階的に行きつ戻りつしているのがリアルでやりきれない。
「霊媒のいる町」:とある町で行われる心霊実験に参加できることになった二人の研究者。実験は納得できない奇妙なもの。その後先に町をうろうろして無為な時間を過ごす。
この短編集の中ではこれが一番面白かった。心霊実験にもこの町にもさして積極的な興味を示すわけでもない二人の男の、ややアンニュイな会話が絶妙。実験自体のシーンは少なく、そのシーンを挟んで町をふらついたり開店前の酒場で無理やり酒を飲んだりする、どうでも良さが心地よい。
「夜と霧の隅で」北杜夫 作
「夜と霧の隅で」:第二次大戦下、敗北間近のナチスドイツ。回復不能な患者たちをガス室へ送り込む政策に翻弄される精神病院が舞台。少しでも抵抗しようと無謀な回復治療に走る医師やユダヤ女性を妻に持つ日本人患者の悲劇。
実に恐ろしい世界。味わいはあまりない文章だが、かえって冷酷な恐怖が身に迫る。唯一の日本人患者が次第に精神が混乱していき、妄想と現実の間を段階的に行きつ戻りつしているのがリアルでやりきれない。
「霊媒のいる町」:とある町で行われる心霊実験に参加できることになった二人の研究者。実験は納得できない奇妙なもの。その後先に町をうろうろして無為な時間を過ごす。
この短編集の中ではこれが一番面白かった。心霊実験にもこの町にもさして積極的な興味を示すわけでもない二人の男の、ややアンニュイな会話が絶妙。実験自体のシーンは少なく、そのシーンを挟んで町をふらついたり開店前の酒場で無理やり酒を飲んだりする、どうでも良さが心地よい。
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