漫画家まどの一哉ブログ
「同期する世界」 蔵本由紀
読書
「同期する世界」 蔵本由紀 著
「同期する世界」 蔵本由紀 著
非線形科学というショルダータイトルあり。科学の世界を横断して、シンクロ現象の謎に迫る一冊。
振り子時計、メトロノーム、ロウソクの炎、コオロギのコーラス、カエルの発声、体内時計、吊り橋の揺れ、電力供給網、心拍、電気魚、酵母細胞の解糖、インスリンの分泌、ヤツメウナギの遊泳、アメーバの移動、交通信号機のネットワークなど、実にさまざまな出来事に同期する仕組みがあるのだった。
そのシステムは種々違えど、この同期現象をなるたけ具体例から離れ、抽象化された言葉で捉えることはできないか?そのためにリズムの進み方を「位相」という言葉に置換え、規則的な反復運動・周期運動を持続する「振動子」の進み方の差を「位相差」と表現する。そして一定のくり返し現象を、円周上を回転する粒子の動きとして図にしてみると、あら不思議「位相差」を持った粒子が引力・斥力の働きによりやがて安定した同期状態に。個々の「振動子」の持つミクロリズムが結合してマクロリズムを生み出すさまを抽象的に理解することができます。
というわけでいろんなシンクロ現象が解き明かされるわけだが、なんの予備知識もない者としては、「ふ~んそうなの」というばかりだ。後半が生理現象の話で、細胞膜の内と外の電位差や遺伝子発現などからも特定のリズムが生み出される云々なのだが、そこまで詳しい話は別にいいや。
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