漫画家まどの一哉ブログ
「ドウエル教授の首」 ベリャーエフ
読書
「ドウエル教授の首」
アレクサンドル・ベリャーエフ 作
怪奇SFの世界。死者の首を体から分離してチューブ類につなぎ、栄養を送り込んで生かしておく技術を開発したドウエル教授。功名心にかられた弟子の教授によって殺されて自身が首だけの存在となってしまう。弟子の教授はさらに人体実験を重ね、ついには別人の胴体をつなぎ合わせた人間を作りだすが…。
読み始めるとまもなくドウエル教授の首が出現。首の登場に至るまでの恐ろしい雰囲気づくりなどはなく、アッケラカンとしていて文章も簡単。凝ったところは全くないのが意外だった。
もう少し哲学的な見解や風刺的な視点など首に語らせるか、怪奇耽美的なイメージの横溢などがほしかったが、舞台は研究室を飛び出してうら若き善男善女が追いつ追われつ肉弾戦のスペクタクルを繰り広げるなど、事件中心のストーリー展開になってしまい、昔のエンターテイメントの基本形なのかも知れないが、これではせっかくの設定がもったいない。首だけとなった男の悲哀だけでよかったのに…。
「ドウエル教授の首」
アレクサンドル・ベリャーエフ 作
怪奇SFの世界。死者の首を体から分離してチューブ類につなぎ、栄養を送り込んで生かしておく技術を開発したドウエル教授。功名心にかられた弟子の教授によって殺されて自身が首だけの存在となってしまう。弟子の教授はさらに人体実験を重ね、ついには別人の胴体をつなぎ合わせた人間を作りだすが…。
読み始めるとまもなくドウエル教授の首が出現。首の登場に至るまでの恐ろしい雰囲気づくりなどはなく、アッケラカンとしていて文章も簡単。凝ったところは全くないのが意外だった。
もう少し哲学的な見解や風刺的な視点など首に語らせるか、怪奇耽美的なイメージの横溢などがほしかったが、舞台は研究室を飛び出してうら若き善男善女が追いつ追われつ肉弾戦のスペクタクルを繰り広げるなど、事件中心のストーリー展開になってしまい、昔のエンターテイメントの基本形なのかも知れないが、これではせっかくの設定がもったいない。首だけとなった男の悲哀だけでよかったのに…。
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