漫画家まどの一哉ブログ
「チャンドス卿の手紙/アンドレアス」 ホーフマンスタール
読書
「チャンドス卿の手紙/アンドレアス」
ホーフマンスタール 作
「第672夜のメールヘン」:裕福な商人の息子は4人の召使とともに一人で暮らしてるが、ある日別荘の庭に出て休んでいるとき、常に自分が召使たちに見られているのを感じる。監視されているわけではないが意識されているという息苦しさ。これが異常な感覚。後半になると不愉快な手紙をもらってイラついたまま一人で街へ出かけ、下町に迷い込んで馬に蹴られるという不条理小説の逸品。
「バソンピエール元帥の経験」:これは読んだことがあった。元帥と丁寧に挨拶をかわす間柄の小間物屋の女主人と場を設定して会うことになるが、それが即肉体関係というのが身分制度のなせるものなのか奇妙な感じだ。そして後日指定された家に行ってみると死体しかないという幻想文学の逸品。
「アンドレアス」:はるかヴェネチアでの一人旅で、いろいろな体験を経て成長していく青年アンドレアスを描いた未完の中編。これは教養小説の部類に入り、世紀末感はない健全な読み物である。泊まった宿には魅力的な少女がいて、周辺には下品な男がうろついているという設定が繰り返される。この下品なクズ野郎を描くのが実にうまくてイヤな感じに満ち溢れている。
「チャンドス卿の手紙/アンドレアス」
ホーフマンスタール 作
「第672夜のメールヘン」:裕福な商人の息子は4人の召使とともに一人で暮らしてるが、ある日別荘の庭に出て休んでいるとき、常に自分が召使たちに見られているのを感じる。監視されているわけではないが意識されているという息苦しさ。これが異常な感覚。後半になると不愉快な手紙をもらってイラついたまま一人で街へ出かけ、下町に迷い込んで馬に蹴られるという不条理小説の逸品。
「バソンピエール元帥の経験」:これは読んだことがあった。元帥と丁寧に挨拶をかわす間柄の小間物屋の女主人と場を設定して会うことになるが、それが即肉体関係というのが身分制度のなせるものなのか奇妙な感じだ。そして後日指定された家に行ってみると死体しかないという幻想文学の逸品。
「アンドレアス」:はるかヴェネチアでの一人旅で、いろいろな体験を経て成長していく青年アンドレアスを描いた未完の中編。これは教養小説の部類に入り、世紀末感はない健全な読み物である。泊まった宿には魅力的な少女がいて、周辺には下品な男がうろついているという設定が繰り返される。この下品なクズ野郎を描くのが実にうまくてイヤな感じに満ち溢れている。
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