漫画家まどの一哉ブログ
「アレクサンドル・プーシキン/バトゥーム」 ブルガーコフ
読書
「アレクサンドル・プーシキン/バトゥーム」
「アレクサンドル・プーシキン/バトゥーム」
ミハイル・ブルガーコフ 作
ブルガーコフの戯曲2題。歴史的英雄に捧げられた作品で、しごくまっとうな内容であり幻想味やSF的な道具立ては無い。もっとも「バトゥーム」の英雄とはスターリンだが。
「アレクサンドル・プーシキン」:プーシキンは若くして国民的人気を勝ち取っていたが、夫人の愛人問題を理由とする決闘で命を落としてしまう。この作品にはプーシキン本人は登場せず、決闘に至るまでのいきさつと周りの人々の動揺が描かれている。
海外文学を読んでいると、夜会などでよく詩が朗読されるし、有名な詩作品が国民に愛誦されているが、こういう詩の大きな役割が実感としてよくわからない。この作品ではプーシキンの死に際して暴動まで起きている。
「バトゥーム」:バトゥームとは若きスターリンが革命家として活動を開始した土地。何故かブルガーコフはスターリンとは親交があったようで、革命後、芸術家として食っていく道をいろいろと頼み込んでいたそうだ。さすがに大革命の指導者だけあって、若い頃のスターリンはただものではない頼れる男である。といったオハナシ。
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