漫画家まどの一哉ブログ
「とてもいい!」 マヤコフスキー
読書
「とてもいい!」マヤコフスキー 作
長詩。全体としてとても元気がいい印象。マヤコフスキーは34歳。著者もまだ若いが国(ソビエト連邦)も若いよ。土曜社のマヤコフスキー叢書の一冊には巻頭に児童文学作家カッシリによる「ある日のマヤコフスキー」という講演会のルポルタージュが掲載されている。それを読むとマヤコフスキーはたいへんな人気者で、溢れる聴衆を前に見事なパフォーマンスを繰り広げるところは、なかなか達者なヒーローであり、少なくとも内気なおとなしい詩人といったタイプではない様子だ。
十月革命叙事詩だからスローガン的なシュプレヒコール的な口調をうまく生かしているのか、それとも伴わない結果を批判するのにアイロニーとして利用されているのかわからない。何れにしても著者を取り巻く世界は流動的だ。
「流れていた、いつもの通り、十月が、風になって。資本主義の風と同じ風が。流れていた、トロツキー橋を、自動車と電車。いつものレールをくねらせて。橋の下はネヴァ河。ネヴァを泳ぐクロンシュタットの船々……小銃たちのざわめきに、冬宮がよろめきはじめた。
(2段×4ページ略)
流れていた、いつもの通り、十月が、風になって。橋の上、レールをくねらせて、電車はその疾走をつづけていた。もはや、社会主義のもとに。」
「とてもいい!」マヤコフスキー 作
長詩。全体としてとても元気がいい印象。マヤコフスキーは34歳。著者もまだ若いが国(ソビエト連邦)も若いよ。土曜社のマヤコフスキー叢書の一冊には巻頭に児童文学作家カッシリによる「ある日のマヤコフスキー」という講演会のルポルタージュが掲載されている。それを読むとマヤコフスキーはたいへんな人気者で、溢れる聴衆を前に見事なパフォーマンスを繰り広げるところは、なかなか達者なヒーローであり、少なくとも内気なおとなしい詩人といったタイプではない様子だ。
十月革命叙事詩だからスローガン的なシュプレヒコール的な口調をうまく生かしているのか、それとも伴わない結果を批判するのにアイロニーとして利用されているのかわからない。何れにしても著者を取り巻く世界は流動的だ。
「流れていた、いつもの通り、十月が、風になって。資本主義の風と同じ風が。流れていた、トロツキー橋を、自動車と電車。いつものレールをくねらせて。橋の下はネヴァ河。ネヴァを泳ぐクロンシュタットの船々……小銃たちのざわめきに、冬宮がよろめきはじめた。
(2段×4ページ略)
流れていた、いつもの通り、十月が、風になって。橋の上、レールをくねらせて、電車はその疾走をつづけていた。もはや、社会主義のもとに。」
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