忍者ブログ

漫画家まどの一哉ブログ

   
「夢魔は蠢く」 東雅夫
読書
「夢魔は蠢く」東雅夫 編


明治から大正にかけて書かれた文豪たちによる怪談小話のうち、夢を素材としたものを選んだアンソロジー。
夏目漱石の「夢十夜」をそもそもの始まりとして、この方法に倣って色々なものが書かれたのではないか。幽霊が出てくるわけではなく、現実のようなそうでないような輪郭のはっきりしない出来事。水野葉舟の「響」などもまさにそうだが、本書には登場しない内田百間をその完成形とする、夢の中を彷徨うような描写は誰でも一度はやってみたいもので、多くの作家が試みたのではないだろうか。

それらとはまったく違う正岡子規のものはエッセイの形をとったもので、かえって面白かった。葬送に関するあれやこれやの迷いなど面白おかしく、ネタとしてはありがちなので先に書いたもん勝ちのような気がする。

付録の絵物語、坪内逍遙「神変大菩薩伝」はどう見ても現代なら漫画に仕立てられたであろう見事さである。赤い糸で結ばれていたとか、ワイヤレスの神通とか言葉が現代的で愉快。絵も逍遙。

拍手[0回]

PR
  
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 19 20 21 22 23
24 25 27 28 29 30
フリーエリア

「世の終りのためのお伽噺」
アックスストア
「洞窟ゲーム」
アックスストア 西遊
「西遊」
amazon ヨドバシ.com
アックス75号
アックスストア

祭り前

秘密諜報家
最新コメント
[08/13 筒井ヒロミ]
[02/24 おんちみどり]
[05/10 まどの]
[05/10 西野空男]
[01/19 斎藤潤一郎]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
madonokazuya
性別:
非公開
自己紹介:
漫画家
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
カウンター
カウンター
フリーエリア
Copyright ©  -- まどの一哉 「絵空事ノート」 --  All Rights Reserved

Design by CriCri / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]