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「自発的隷従論」 エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ
読書
「自発的隷従論」

エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ 著


16世紀フランス。モンテーニュの盟友でありながら夭折した政治思想家ボエシ。人間は生まれながらにして自由のはずが、なぜ支配者に進んで隷従するのか。支配・被支配の関係は基本的に支配者が暴力的に民衆を抑圧する視点で描かれるが、実際には喜んで支配に身を捧げる多くの民衆の姿が見られる。支配者も同じ人間であり、簡単にその横暴を拒否できるはずなのに、この不思議な現象はなぜ起きるのか?まさに現代まで通じる人間社会の根幹にある疑問をピンポイントでついた論考。


圧政者の詐術として、遊戯・饗応・称号・自己演出・宗教心の利用などをあげ、これらの詐術に民衆はいとも簡単にはめられてしまう。そしてとりまきとしての小圧政者の存在。圧政者のそばで飼いならされることによって満足を得、自由を売り渡したとりまき達は、自身の従者にも従属を強要。下の者はさらに下の者に同じことを強要し、このシステムが順番にくりかえされて基本的な社会構造が出来上がる。そうやって社会が安定してしまえば、隷従は自然な習慣となってなんら疑問に思われない。人は生まれながらにして用意されたこの仕組みを学習するのである。


現代日本に生きる我々にとって、哀しいほどに実感を持って納得できるハナシ。主権者としての権利を行使するより、いかにおこぼれにあずかるかに腐心するプライドなき民衆としての奴隷根性があらためて確認できる。かくして抑圧移譲のピラミッドは揺るがないのだった。

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