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「秘密の武器」 コルタサル
読書
「秘密の武器」コルタサル 作

コルタサルは恐怖と戦慄の幻想文学として紹介されているようだが、どうも以前からそんな気がしない。多少不思議なことも起きるが、文庫本2冊読んだだけの印象で恐縮だが、幻想文学と呼べるものは1割くらいで現実を揺さぶられるような驚きはなかった。
かといって面白くないわけではなく、短編小説としてはぞんぶんに面白い。

「女中勤め」:夫に先立たれた後、お屋敷に女中奉公をして暮らしている女性。臨時に雇われたと思ったら飼い犬6匹のお守りだったり、パーティーで知り合った裕福な青年の葬式で母親役になったり。彼女のやさしい細やかな心の動きが縷々描かれて味わい深い。

「追い求める男」:チャーリー・パーカーをモデルに天才サックス奏者の日常と内面を描写。いわゆるインテリ層の言葉を持たない、音楽を通じて表現するプレーヤーにこれだけ言葉を語らせた小説も珍しいのではないか。よく書けるなと感心する。時間の感覚が不思議で、演奏中に「この曲は明日やった曲だろ!」とか言い出す。言葉ではとらえきれない哲学的な感覚を言葉にしている感覚。

「秘密の武器」:恋人同士で別荘に行くが、語り手の男は自分でも知らない妙な記憶を抱いている。しだいに過去のいまわしい事件の人物に乗り移られてゆく男。というとオカルトみたいだが、全くそうではなく現実は渾然と書かれている。これぞ恐怖と戦慄の幻想文学。

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