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漫画家まどの一哉ブログ

   
「従妹ベット」
読書
「従妹ベット」
バルザック
 作

文豪バルザックの長編小説。主人公のリスベットは、従妹のアドリーヌと同じアルザス地方の村の生まれ。アドリーヌが絶世の美女であるのに比べ、リスベット(ベット)は不器量で、ゴツゴツした感じの女だ。子供の頃からなにかにつけ美しいアドリーヌばかりがちやほやされておもしろくない。ユロ男爵にみそめられ、パリで裕福に暮らす従妹アドリーヌ。かたわらリスベット(ベット)はパリで生計を立てながら、男爵夫人アドリーヌとその一族たちをなんとか不幸にするべく画策する。という珍しく不器量な女を主人公にした復讐劇である。

とはいっても物語の大半はもう一人の主人公というべきアドリーヌの夫、ユロ男爵のあくなき女道楽の行く末が描かれている。ベットと手を取って計画を練り、男たちを翻弄し大金を手中に収めようとする悪女マルネフ婦人。そしてマルネフ婦人に群がるユロ男爵はじめ、成金の実業家クルヴェル、大富豪の貴族モンテス、芸術家のヴェンセスラスなど、懲りない男たち。そんな中でユロ男爵は女のために公金まで横領し、しだいに落ちぶれてゆくのだった。

この小説は新聞連載だったそうで、話がどんどん進んで読みやすいが、そのぶん進展が解りにくい面もあって、というのは物語の後半になってけっこう重要な人物が登場するし、終わりごろに謎の必殺仕事人婆さんが出てくるなど、娯楽本意だが全体の構成としては妙な気がした。

また金の話が頻繁に出て、どの男がどれだけの年金を女に与えられるかが、やりとりの枢要をなしている。さすがにややわかりにくいが、大金だなと思って読めばさしつかえない。

ベットの復讐劇も中途半端で、復讐が挫折することよりも、女たらしのユロ男爵がよぼよぼの爺さんになっても、若い娘に手を出そうとするところを描きたかったようだ。和訳副題「好色一代記」。

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