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漫画家まどの一哉ブログ

   
「宝島」

読書

「宝島」 スティーヴンスン 作

 

少年文学として子供の頃接することも多いこの作品。実は良く知らないでいたが、大人になって読んでもすこぶる面白い冒険小説の傑作だ。ただ、りんご樽の中に隠れて海賊たちのわるだくみを知るシーンなどところどころ知ってはいた。

 

冒頭から出てくる海賊の一味は、その下劣な人格がよく書けていて実に興をそそる。もちろん自分がしらないだけで、現代のエンターテイメント小説・ピカレスクロマンでも魅力的な悪人はたくさん登場するのだろうが、ここに出てくる海賊の多くはまったく卑しい乱暴者でそれがわくわくする。

唯一ジョン・シルバーだけが海賊の中でも頭のキレる人物で、頭はキレるが平気で人を裏切る卑怯者なのだ。この小説はジョン・シルバーの魅力でほとんど成り立っていると言っても過言ではない。

主人公ジム・ホーキンス少年も小舟で島をめぐって大冒険を繰り広げるが、ふつうの勇敢な少年である。また船長、ドクター、孤島の住人ベン・ガンなど味方の人物はみな理性的で誠実な信用のおける人間でそれだけにつまらない。

翻って海賊はシルバーでさえも計画性のない欲にまみれた乱暴者で、こいつらをリアルに描いたところがこの小説の魅力だろう。なにしろ島での生活を考えれば大切な食料や酒を無計画にどんどん飲み食いしてしまうのだから。こいつらまったく信用おけない。

 

考えてみれば街の利権に絡むヤクザ者vs住人の戦いみたいな話で、宝探しというロマン溢れる設定になっているから子どもでも読めるだけのことかも。現代でも一攫千金の宝をめぐって大人たちはうごめいているのである。

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