漫画家まどの一哉ブログ
「バーナビー・ラッジ」上 ディケンズ
「バーナビー・ラッジ」上
ディケンズ 作
(中公文庫・小池滋 訳)
知的障害者青年ラッジのまわりで起きる大人たちの陰湿な確執。破壊される若者たちの恋と運命。22年前に起きた殺人事件の犯人は?若きディケンズ渾身の推理長編。
かわいそうに登場する若者全てが、その主体性と人権をないがしろにされ人生の自由を奪われている。宿屋の主人はいい歳をした長男をいつまでも子供扱いし、なにひとつ主体的な仕事を認めない。発言さえ禁止だ。いがみ合う二つの家の若き男女は親たちの策謀により、結婚への道を閉ざされる。
鍵修理・製作の家のかわいい娘の母親は、娘が困難に直面していても、最もかわいそうなのは自分であるという立場から出ようとはしない。これら無理解な親たちの桎梏から自由になることはできるのか。ストーリーの背後には22年前の殺人事件の謎が潜んでいる。手の込んだ設定だが、やや冗長な印象。下巻は後日。
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