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漫画家まどの一哉ブログ

   
変わらない世界
3.11以降、世界が変わったかどうか自分の知るところではないが、そんなことを考えることにあまり意味があるとも思えない。果たして世界が変わるのかと言えば、変わらないと思う。

確実なことは被災者の人生は激変した。そして今日一日避難所で生きていけるのか、今日の衣食住の問題。そして肉親の安否、失った仕事。これらの強烈に具体的なことを考え、言葉にしていくしかほかにない。
翻って自分など平和なものだが、やはり計画停電と納期を考えた仕事のやりくり、品不足の中での買い物、電車の運行状況、そして自分の作品の構想。など具体的なことについて発言していくしかない。同じといっては申し訳ないが、やはりこの具体的なことだけが真実で、概念的なことは不毛を感じる。

もちろん放射能に襲われて関東地方がもぬけの殻になるかも知れない。私も政府や東京電力の発表を信じているわけではない。東電の体質からして触れたくない重大事項は先送りして、当座の責めを免れようとしているだろう。原子力行政を継続したい政府も問題を過小に発表したいだろう。
しかしそのことは、今現在福島原発が既に破滅的状況であることとイコールではない。破滅の可能性はあるが、例えばプルサーマルである3号機の炉心が熔解しているのを、我々がこの目で見てきたわけではないのだから、我々の乏しい知識で、もう破滅しかないと決めつけることはできないのだ。
すると専門家の話を聞くしかないのだが、これまた一人一説で、たとえ御用学者のいうことを否定しても反原発派の現状認識が正しいと、一方的に信じ込むのもつまらない話だ。つまり福島原発の状況に対して、推論ではなく具体的なことしか語れないとすれば、我々庶民に言えることはなにもないのだ。あきらめろ。

復興ということは今までの世界を取り戻すことであり、また被害に遭っていない地域の暮らしが今まで通りであるかぎり、世界はそう簡単に変わらない。そして我々は今まで通り小さな世界で仕事をして生活費を得て、生きて死んで行くしかない。この具体性が人生であり、歴史的な視点で概括するのは後世の人間の仕事で、今現在の人間は毎日を虫のように生きて死ぬしかないのだ。

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