漫画家まどの一哉ブログ
林京子を読む
読書(mixi過去日記より)
「祭りの場」「ギヤマンビードロ」
林京子 作
林京子という小説家は、以前短編をちらっと読んでイイカンジだったので、あらためて文庫本一冊読んでみた。これがメチャメチャおもしろい!
上海での子供時代と、長崎での被爆体験をベースに書かれた短編集。
作者は父親の仕事の関係で、中国上海の雑然とした町中で、中国人の子供達と遊んで育つ。やがて日中戦争が緊迫化したため帰国。長崎県の長崎高等女学校に編入となり、三菱兵器工場に学徒動員中被爆。爆心地から1.4キロの場所で被爆しながら、奇跡的に外傷もなく生き残った。
作品は被爆の瞬間から、がれきからの脱出、焼け野原を彷徨、実家にたどり着くまでや、その後の放射能障害の不安、死んでいった街の多くの人々、そして何年も生き延びた後やはり放射能障害で死んでいく知人達。後年長崎の地を訪れ、あらためて想いをはせることなどが、モザイク的に混じり合いながら語られていく。
とにかく描かれる事実がしっかりしているのがいいんでしょうか。いくら考えを巡らしても追いつかないだけのれっきとした現実。現実>観念という不等式が快適だ。生と死がすぐ目の前に迫る内容で、読みだすとひきこまれる。ワクワクする。こんなの大好き。
「祭りの場」「ギヤマンビードロ」
林京子 作
林京子という小説家は、以前短編をちらっと読んでイイカンジだったので、あらためて文庫本一冊読んでみた。これがメチャメチャおもしろい!
上海での子供時代と、長崎での被爆体験をベースに書かれた短編集。
作者は父親の仕事の関係で、中国上海の雑然とした町中で、中国人の子供達と遊んで育つ。やがて日中戦争が緊迫化したため帰国。長崎県の長崎高等女学校に編入となり、三菱兵器工場に学徒動員中被爆。爆心地から1.4キロの場所で被爆しながら、奇跡的に外傷もなく生き残った。
作品は被爆の瞬間から、がれきからの脱出、焼け野原を彷徨、実家にたどり着くまでや、その後の放射能障害の不安、死んでいった街の多くの人々、そして何年も生き延びた後やはり放射能障害で死んでいく知人達。後年長崎の地を訪れ、あらためて想いをはせることなどが、モザイク的に混じり合いながら語られていく。
とにかく描かれる事実がしっかりしているのがいいんでしょうか。いくら考えを巡らしても追いつかないだけのれっきとした現実。現実>観念という不等式が快適だ。生と死がすぐ目の前に迫る内容で、読みだすとひきこまれる。ワクワクする。こんなの大好き。
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