漫画家まどの一哉ブログ
「黒い魔術」ポール・モラン
読書
「黒い魔術」
ポール・モラン 作
1920年代にモダニズム小説で一世を風靡したポール・モラン。そのこと自体を知らなかったが、そのモランが都会的な作風とはうって変わって、アフリカ・アメリカ・中米を舞台にムラート達を主人公とする短編集を書いた(1928年刊行)。黒人と白人の混血をクレオールだと勘違いしていたがムラートというのが正解のようだ。もともとは侮蔑的な意味があったらしい。
一見白人に見えても一滴でも黒人の血が混じっていると猛烈な差別を受けた時代。その境遇に抗いながら自身の力で築き上げた地位を守ろうと格闘する人々が登場する。作者はアフリカンの体に流れる土俗的・呪術的な血を、近代文明と白人社会の価値観に対するアンチテーゼとしてしばしば登場させるようだ。それを肯定的に描いているのか、それとも創作上の手段としてただ利用しているのかはわからなかった。ひとつのパターンとなっていた。ただ作品としてはどの短編もおもしろく、飽きさせるような下手なことはない。
「黒い魔術」
ポール・モラン 作
1920年代にモダニズム小説で一世を風靡したポール・モラン。そのこと自体を知らなかったが、そのモランが都会的な作風とはうって変わって、アフリカ・アメリカ・中米を舞台にムラート達を主人公とする短編集を書いた(1928年刊行)。黒人と白人の混血をクレオールだと勘違いしていたがムラートというのが正解のようだ。もともとは侮蔑的な意味があったらしい。
一見白人に見えても一滴でも黒人の血が混じっていると猛烈な差別を受けた時代。その境遇に抗いながら自身の力で築き上げた地位を守ろうと格闘する人々が登場する。作者はアフリカンの体に流れる土俗的・呪術的な血を、近代文明と白人社会の価値観に対するアンチテーゼとしてしばしば登場させるようだ。それを肯定的に描いているのか、それとも創作上の手段としてただ利用しているのかはわからなかった。ひとつのパターンとなっていた。ただ作品としてはどの短編もおもしろく、飽きさせるような下手なことはない。
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