漫画家まどの一哉ブログ
「詩の約束」 四方田犬彦
読書
「詩の約束」四方田犬彦 著
自分は詩魂というものがなく、少しばかりの詩を読むようになったのもいい大人になってからなので、詩についてはまったくの素人である。そんなわけでこの著者渾身の論考もただただ感心するばかりで、批判的に読む能力はない。おおいに勉強になった感覚。
朗唱・翻訳・注釈・発語・引用・押韻などなど、著者自身の体験を踏まえてさまざまな切り口で古今東西の詩に迫るおもしろさ。もとより詩は朗唱するものであることの再確認から始まり、寺山修司に代表される剽窃(本歌取り)の自由さ、西脇順三郎の変革、絶対読めないものを含むエズラ・パウンドのスケール、入沢康夫に影響を受けたといいながらまるで違う中上健次、晩年まで改稿を続けて忘れられた悲しい蒲原有明。(象徴詩といえば自分は蒲原有明や日夏耿之介は苦手だが大手拓次は好きだ。この分類あってるのかな?)などなど…。
なにより著者の青春時代から人生にぴったり寄り添っていた詩経験が迫真の読書体験を生む。映画や漫画のオーソリティーと思っていたが、詩は更に早く著者の根幹をなしていたようだ。
「詩の約束」四方田犬彦 著
自分は詩魂というものがなく、少しばかりの詩を読むようになったのもいい大人になってからなので、詩についてはまったくの素人である。そんなわけでこの著者渾身の論考もただただ感心するばかりで、批判的に読む能力はない。おおいに勉強になった感覚。
朗唱・翻訳・注釈・発語・引用・押韻などなど、著者自身の体験を踏まえてさまざまな切り口で古今東西の詩に迫るおもしろさ。もとより詩は朗唱するものであることの再確認から始まり、寺山修司に代表される剽窃(本歌取り)の自由さ、西脇順三郎の変革、絶対読めないものを含むエズラ・パウンドのスケール、入沢康夫に影響を受けたといいながらまるで違う中上健次、晩年まで改稿を続けて忘れられた悲しい蒲原有明。(象徴詩といえば自分は蒲原有明や日夏耿之介は苦手だが大手拓次は好きだ。この分類あってるのかな?)などなど…。
なにより著者の青春時代から人生にぴったり寄り添っていた詩経験が迫真の読書体験を生む。映画や漫画のオーソリティーと思っていたが、詩は更に早く著者の根幹をなしていたようだ。
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