漫画家まどの一哉ブログ
「土台穴」 プラトーノフ
読書
「土台穴」
アンドレイ・プラトーノフ 作
土台穴とは、労働者住宅の建設にあたって掘られる基礎工事のための大穴である。
スターリンの威光輝くソビエト黎明期。あまりに内省的・思索的な性格で作業効率が悪く、工場をクビになった青年ヴォーシェフ。彼がこの現場にたどり着き、土台穴掘削の仕事に参加するところから話は始まっている。その後この青年を主人公に展開するのかと思ったら、現場監督や農民・鍛冶屋・党指導者・活動家・孤児など入り乱れて登場し、事態は錯綜していく。
大筋としてはこの地域から富農どもを放逐し、なるたけ多くの農民をコルホーズに参加させて集団経営を軌道に乗せるための苦闘だが、だからといってこの小説は社会派リアリズムではまったくない。
読み始めるとその文章の心迫る美しさに飲まれて読み進むのがもったいない気がするのだが、実は前衛芸術ではないかと見紛うほどのとてつもない難解な文章。何が起こっているのか必ずしも納得できないまま読み進んで行くことになる。ただしいよいよコルホーズが立ち上がり、参加する貧農や労働者が歓喜のダンスを踊り続けるあたりでは話が大きく動いていく躍動感があってワクワクとした。
「土台穴」
アンドレイ・プラトーノフ 作
土台穴とは、労働者住宅の建設にあたって掘られる基礎工事のための大穴である。
スターリンの威光輝くソビエト黎明期。あまりに内省的・思索的な性格で作業効率が悪く、工場をクビになった青年ヴォーシェフ。彼がこの現場にたどり着き、土台穴掘削の仕事に参加するところから話は始まっている。その後この青年を主人公に展開するのかと思ったら、現場監督や農民・鍛冶屋・党指導者・活動家・孤児など入り乱れて登場し、事態は錯綜していく。
大筋としてはこの地域から富農どもを放逐し、なるたけ多くの農民をコルホーズに参加させて集団経営を軌道に乗せるための苦闘だが、だからといってこの小説は社会派リアリズムではまったくない。
読み始めるとその文章の心迫る美しさに飲まれて読み進むのがもったいない気がするのだが、実は前衛芸術ではないかと見紛うほどのとてつもない難解な文章。何が起こっているのか必ずしも納得できないまま読み進んで行くことになる。ただしいよいよコルホーズが立ち上がり、参加する貧農や労働者が歓喜のダンスを踊り続けるあたりでは話が大きく動いていく躍動感があってワクワクとした。
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