漫画家まどの一哉ブログ
「自由について」 金子光晴
読書
「自由について」 金子光晴 著
実はほとんど触れたことがない金子光晴。それでも窮屈な戦前・戦後の日本社会を自由に生きた日本人の見本みたいなイメージは持っていた。確かにそうだ。
その意味で著者独自のユニークな人生観・社会観を期待したが、このエッセイ集は案外まともだし、これだけ政治社会的な発言を多くした人とは思っていなかった。
戦前に労働者運動に関係するようなことがなかったので、目を付けられなかったのか、敗戦必死の予想と戦争非協力を銃後でつらぬいているのは爽快で、そこが正統な政治批判とは違った魅力になっている。古い日本社会のただ中にいて、その悪弊に染まらないところが痛快である。とは言っても芸術家の床屋政談という風情といえばそんな感じだ。
戦争に突き進んで大敗した日本社会を見抜く目は鋭くて、たしかに間違ってはいないのだが、個人的には別のものを期待していたので、やはりこの老境随想集は脇において自由詩人としての真骨頂は他にあるだろうと予測する。
「自由について」 金子光晴 著
実はほとんど触れたことがない金子光晴。それでも窮屈な戦前・戦後の日本社会を自由に生きた日本人の見本みたいなイメージは持っていた。確かにそうだ。
その意味で著者独自のユニークな人生観・社会観を期待したが、このエッセイ集は案外まともだし、これだけ政治社会的な発言を多くした人とは思っていなかった。
戦前に労働者運動に関係するようなことがなかったので、目を付けられなかったのか、敗戦必死の予想と戦争非協力を銃後でつらぬいているのは爽快で、そこが正統な政治批判とは違った魅力になっている。古い日本社会のただ中にいて、その悪弊に染まらないところが痛快である。とは言っても芸術家の床屋政談という風情といえばそんな感じだ。
戦争に突き進んで大敗した日本社会を見抜く目は鋭くて、たしかに間違ってはいないのだが、個人的には別のものを期待していたので、やはりこの老境随想集は脇において自由詩人としての真骨頂は他にあるだろうと予測する。
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