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漫画家まどの一哉ブログ

   
「聖ヨハネ病院にて」

読書
「聖ヨハネ病院にて」
上林暁 作


読み返すたびに違った印象で面白く感じられるのは、読むこちら側の人生がいろんな局面を経て成長しているからであろう。作者の妻が実際に精神を病んで入院しており、子供たちを育てながらも毎日病院へ通う現実が描かれる。というとかなり悲惨な話のようだが、たとえ状況は困難でも、確かな夫婦愛が貫かれているところに安心をおぼえる。「名月記」も同じような環境を描いた短編だが、こちらはいよいよ退院しようという時期のエピソードで構成されていて楽しい。この場合の楽しいというのは、ほほえましいといったような感覚。主人公が苦労つづきでも、夫婦の会話に人生の滋味というものが感じられて、私小説の心地よさがあった。


この代表作が捨てがたい名作で、私もこれ以外あまり読まないが、全集は分厚く19巻もあるのだ。私小説でこのボリューム!

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