漫画家まどの一哉ブログ
「穴」 小山田浩子
読書
「穴」小山田浩子
(新潮文庫)
田舎に移り住んで専業主婦となった身の回りで起こる不思議な出来事。少しずつ異世界へずれて行く微妙な感覚を描く。
作者について知らなかったが、期待に違わぬおもしろさ。最初は若い夫婦の日常風景を細かく描いて、ああ最近の日本文学は共感できる生活描写を欠かさないなあ…と思っていると、いきなり見たこともない動物が登場。と思ったらとつぜん河原で穴に落ちてしまう。ここからいよいよ日常のふりをした非日常が始まる。
謎の動物、謎の隣人夫人、いないはずの義兄、いないはずの子供たちが登場するが、感触はまったくいつもどうりの日常なので、奇妙なのにああこんなものかと納得してしまう心地よさがある。
文庫本解説の笙野頼子初期「二百回忌」、多和田葉子初期「犬婿入り」を思い浮かべていたが、匹敵する出来栄えと思った。
「穴」小山田浩子
(新潮文庫)
田舎に移り住んで専業主婦となった身の回りで起こる不思議な出来事。少しずつ異世界へずれて行く微妙な感覚を描く。
作者について知らなかったが、期待に違わぬおもしろさ。最初は若い夫婦の日常風景を細かく描いて、ああ最近の日本文学は共感できる生活描写を欠かさないなあ…と思っていると、いきなり見たこともない動物が登場。と思ったらとつぜん河原で穴に落ちてしまう。ここからいよいよ日常のふりをした非日常が始まる。
謎の動物、謎の隣人夫人、いないはずの義兄、いないはずの子供たちが登場するが、感触はまったくいつもどうりの日常なので、奇妙なのにああこんなものかと納得してしまう心地よさがある。
文庫本解説の笙野頼子初期「二百回忌」、多和田葉子初期「犬婿入り」を思い浮かべていたが、匹敵する出来栄えと思った。
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