漫画家まどの一哉ブログ
「深夜の人/結婚者の手記」 室生犀星
読書
「深夜の人/結婚者の手記」室生犀星 作
29歳で結婚した犀星。その新婚時代をふりかえるが、新生活があまりに真面目で緊張しており、これではちょっと二人とも息がつまる感じだ。また妻の過去や動向がいちいち気になり落ち着かない様子である。妻が郷里から連れてきた愛犬クロにも嫉妬するくらいで、そんな自分を自分で嫌悪して作品化しているのだから、文学者の妻となるのも大変なものである。
この愛犬クロが仔を産んで気分が荒れているのを、犀星は狂犬病の疑いを持って見ており、妻にそれが通じないと癇癪を起こして愛蔵の焼き物を叩き割り、クロを故郷へ引き取らせるに至る経緯はまことに奥さんがかわいそうで、家庭を持ったばかりとはいえ、まだまだ修養が足りないといったところか。
赤ちゃんが生まれた4日後に関東大震災にあっているのは大変だ。
高利貸しのことを隠語でアイス(氷菓子)と言っているのが面白い。本人の前でも言う。
「深夜の人/結婚者の手記」室生犀星 作
29歳で結婚した犀星。その新婚時代をふりかえるが、新生活があまりに真面目で緊張しており、これではちょっと二人とも息がつまる感じだ。また妻の過去や動向がいちいち気になり落ち着かない様子である。妻が郷里から連れてきた愛犬クロにも嫉妬するくらいで、そんな自分を自分で嫌悪して作品化しているのだから、文学者の妻となるのも大変なものである。
この愛犬クロが仔を産んで気分が荒れているのを、犀星は狂犬病の疑いを持って見ており、妻にそれが通じないと癇癪を起こして愛蔵の焼き物を叩き割り、クロを故郷へ引き取らせるに至る経緯はまことに奥さんがかわいそうで、家庭を持ったばかりとはいえ、まだまだ修養が足りないといったところか。
赤ちゃんが生まれた4日後に関東大震災にあっているのは大変だ。
高利貸しのことを隠語でアイス(氷菓子)と言っているのが面白い。本人の前でも言う。
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