漫画家まどの一哉ブログ
「汚辱の世界史」 J.L.ボルヘス
読書
「汚辱の世界史」J.L.ボルヘス 作
(岩波文庫)
史実を元に仕立て上げた古今東西7人の悪人列伝。その他「千夜一夜物語」などから組み立てた掌編集「エトセトラ」、ナイフと銃のせめぎあう短編「薔薇色の街角の男」等初期ボルヘス。
資料文献をなぞっただけと思うなかれ。客観的な筆致ながられっきとしたボルヘスの脳内ドラマである。
「ビル・ハリガン」:ビリー・ザ・キッドのこと。10代にして理由なく人を撃ち殺す恐ろしさ。ためらいがない。悪事がストレートで裏がないからボルヘスの筆も軽快だ。これがいちばんおもしろい。
「吉良上野介」:よく日本人と武家社会の異常なメンタルを理解しているものだ。切腹が基本になっている社会。たとえ吉良が悪役だったとしても、大石の正義と顛末ついては納得できるのだろうか。
「薔薇色の街角の男」:別名で発表するほど、ボルヘスはこんな場末の殺し合いを恥ずかしく思っていたみたいだが、なんのストーリーはさておいても語りがおもしろい。
「汚辱の世界史」J.L.ボルヘス 作
(岩波文庫)
史実を元に仕立て上げた古今東西7人の悪人列伝。その他「千夜一夜物語」などから組み立てた掌編集「エトセトラ」、ナイフと銃のせめぎあう短編「薔薇色の街角の男」等初期ボルヘス。
資料文献をなぞっただけと思うなかれ。客観的な筆致ながられっきとしたボルヘスの脳内ドラマである。
「ビル・ハリガン」:ビリー・ザ・キッドのこと。10代にして理由なく人を撃ち殺す恐ろしさ。ためらいがない。悪事がストレートで裏がないからボルヘスの筆も軽快だ。これがいちばんおもしろい。
「吉良上野介」:よく日本人と武家社会の異常なメンタルを理解しているものだ。切腹が基本になっている社会。たとえ吉良が悪役だったとしても、大石の正義と顛末ついては納得できるのだろうか。
「薔薇色の街角の男」:別名で発表するほど、ボルヘスはこんな場末の殺し合いを恥ずかしく思っていたみたいだが、なんのストーリーはさておいても語りがおもしろい。
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