漫画家まどの一哉ブログ
「朝露の主たち」 ジャック・ルーマン
読書
「朝露の主たち」ジャック・ルーマン 作
(作品社)
カリブ海の新興国ハイチ。迷信と対立に染まった旧村。水飢饉の危機を合理的知見と和解・協力によって打開すべく奮闘する青年の物語。
ハイチ文学の父と呼ばれるジャック・ルーマンが、わずか37歳で他界する1944年に完成させた代表作。解説にもあるとおり極めて単純な筋立てで、ドラマとしてはセオリーから全くはみ出していない。
過去の殺人事件をきっかけにいがみ合う村人2派の間で恋に落ちる主人公青年と彼女。頑固な父親とやさしい母親。住民の支配と利権を目論む権力者。水不足にあっても俗信に頼るしかない頑迷な村人たちの中にあって、新たな泉の探索と水路開発に奮闘する青年の格闘。などなど、まるで連続テレビドラマを見るようなわかりやすさで、やや物足りない気はする。しかしそんなものと思って読めば話はきっちりと進むので楽しんで読むことはできる。
案外予想していたハッピーエンドではなかったが、ひとつの大きな悲しみが村人の幸せを呼ぶという悲劇。
「朝露の主たち」ジャック・ルーマン 作
(作品社)
カリブ海の新興国ハイチ。迷信と対立に染まった旧村。水飢饉の危機を合理的知見と和解・協力によって打開すべく奮闘する青年の物語。
ハイチ文学の父と呼ばれるジャック・ルーマンが、わずか37歳で他界する1944年に完成させた代表作。解説にもあるとおり極めて単純な筋立てで、ドラマとしてはセオリーから全くはみ出していない。
過去の殺人事件をきっかけにいがみ合う村人2派の間で恋に落ちる主人公青年と彼女。頑固な父親とやさしい母親。住民の支配と利権を目論む権力者。水不足にあっても俗信に頼るしかない頑迷な村人たちの中にあって、新たな泉の探索と水路開発に奮闘する青年の格闘。などなど、まるで連続テレビドラマを見るようなわかりやすさで、やや物足りない気はする。しかしそんなものと思って読めば話はきっちりと進むので楽しんで読むことはできる。
案外予想していたハッピーエンドではなかったが、ひとつの大きな悲しみが村人の幸せを呼ぶという悲劇。
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