漫画家まどの一哉ブログ
「月の石」
読書
「月の石」
トンマーゾ・ランドルフィ 作
手持ちの幻想文学事典を見ても、当然まだまだ知らない作家のほうがうんと多い。ランドルフィというイタリアの作家を初めて読んだが、充分にその幻想世界に酔うことができた。
主人公の大学生ジョヴァンカルロは村では坊ちゃんだが、ある日山からやってきた娘グルーを見て恋に落ちてしまう。ところが足元を見るとグルーは山羊の足を持っていて、なぜか誰もそのことを指摘しない。それは一瞬の幻であったのか、ふだんのグルーの足は普通の人間の足だ。
しだいに愛し合う関係となった二人。ある夜グルーに誘われて山へ山へと歩いていくと、しだいに激しくなる雨に降られ、ふと聴こえる山羊の鳴き声。近づいてくる山羊。するとグルーと山羊の体は互いに混じり合ったものに変わってしまうのだった。
その後二人はグルーのなじみの山賊達と行動を伴にし、真っ暗な深い深い渓谷で酒盛り、村人との決闘・虐殺。しかしこれらは全て今現在のことではなかったのか?山中を動物と人間の合体した異形の群れが歩いていくのだった。
というあらすじを書いてもワケはわからないが、このはっきりしないところが幻想文学の味わいで、夢の中に引っ張られていく心地よさがある。ランドルフィは奇想・滑稽・シュール・ナンセンスの作家でもあるらしいから、今後出会えたらぜひ読んでみたい。
「月の石」
トンマーゾ・ランドルフィ 作
手持ちの幻想文学事典を見ても、当然まだまだ知らない作家のほうがうんと多い。ランドルフィというイタリアの作家を初めて読んだが、充分にその幻想世界に酔うことができた。
主人公の大学生ジョヴァンカルロは村では坊ちゃんだが、ある日山からやってきた娘グルーを見て恋に落ちてしまう。ところが足元を見るとグルーは山羊の足を持っていて、なぜか誰もそのことを指摘しない。それは一瞬の幻であったのか、ふだんのグルーの足は普通の人間の足だ。
しだいに愛し合う関係となった二人。ある夜グルーに誘われて山へ山へと歩いていくと、しだいに激しくなる雨に降られ、ふと聴こえる山羊の鳴き声。近づいてくる山羊。するとグルーと山羊の体は互いに混じり合ったものに変わってしまうのだった。
その後二人はグルーのなじみの山賊達と行動を伴にし、真っ暗な深い深い渓谷で酒盛り、村人との決闘・虐殺。しかしこれらは全て今現在のことではなかったのか?山中を動物と人間の合体した異形の群れが歩いていくのだった。
というあらすじを書いてもワケはわからないが、このはっきりしないところが幻想文学の味わいで、夢の中に引っ張られていく心地よさがある。ランドルフィは奇想・滑稽・シュール・ナンセンスの作家でもあるらしいから、今後出会えたらぜひ読んでみたい。
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