漫画家まどの一哉ブログ
「庭」 小山田浩子
読書
「庭」小山田浩子 作
(新潮文庫)
ふとしたはずみに日常がちょっとずれて不思議なことが顔を出す。様々な異世界を様々な方法で描いた15の短篇集。解説吉田知子。
解説で吉田知子は日常が嫌いで家族小説が苦手と言っていたが、これはまさに我が意を得たりという心地だ。ところがこの短編集の中には現代の平均的な若い家族のなにげない日常が、これでもかというばかりに続く作品がいくつかあり、そこは我慢して読んでいくと、なんとかラストでグラグラっと非日常が出現して救われる。ただこういう最後に不思議な非日常というパターンが多い気がした。
「名犬」:温泉旅行と実家の両親のようすなどが連続し、続いて露天風呂のばあさんたちの会話へと進み、どこが名犬かと思っていると、後半ようやく犬を飼うことになる。この回りくどい展開がおもしろく、他にも話が2段階・3段階とステップしてゆくものがあった気がする。
「庭声」:時代は近代。友人宅に風来坊の父親が中国人の女を連れて帰ってきて、変な小屋を建てた庭には鶴が平然と住み着いていたりするのだが、始めから架空の日常と幻想的なイメージに包まれた作品でこれがいちばんよかった。
「庭」小山田浩子 作
(新潮文庫)
ふとしたはずみに日常がちょっとずれて不思議なことが顔を出す。様々な異世界を様々な方法で描いた15の短篇集。解説吉田知子。
解説で吉田知子は日常が嫌いで家族小説が苦手と言っていたが、これはまさに我が意を得たりという心地だ。ところがこの短編集の中には現代の平均的な若い家族のなにげない日常が、これでもかというばかりに続く作品がいくつかあり、そこは我慢して読んでいくと、なんとかラストでグラグラっと非日常が出現して救われる。ただこういう最後に不思議な非日常というパターンが多い気がした。
「名犬」:温泉旅行と実家の両親のようすなどが連続し、続いて露天風呂のばあさんたちの会話へと進み、どこが名犬かと思っていると、後半ようやく犬を飼うことになる。この回りくどい展開がおもしろく、他にも話が2段階・3段階とステップしてゆくものがあった気がする。
「庭声」:時代は近代。友人宅に風来坊の父親が中国人の女を連れて帰ってきて、変な小屋を建てた庭には鶴が平然と住み着いていたりするのだが、始めから架空の日常と幻想的なイメージに包まれた作品でこれがいちばんよかった。
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