漫画家まどの一哉ブログ
「國語元年」 井上ひさし
読書
「國語元年」
井上ひさし 作
明治7年の東京。学務局官吏南郷清之輔は全国話し言葉の統一案を作成するよう命じられる。清之輔邸に暮らす家族や使用人達の使う方言は様々。長州弁・鹿児島弁、江戸山ノ手言葉や下町言葉、南部遠野弁、羽州米沢弁、会津弁に大阪河内弁、名古屋弁に京都弁が入り乱れるなか繰り広げられるドタバタコメディー。
戯曲を読むと目の前で役者の演技を見ているわけではないので、どうしても潤いの部分がなく、骨組みだけを読む硬い印象を持ってしまう。とはいうもののこの話はコメディーのせいか、仕掛けが分かりやすく出来ており、どちらかといえば骨組みだけで進行している気もする。実際舞台を観れば笑ってしまうだろう。
ところが登場する大阪出身の女が使う河内弁が、男でも使わない乱暴で下品なもので、大阪北河内郡出身の自分としては読んでいて非常に不愉快だった。井上ひさしは山形出身なので東北地方の言葉は遠野弁・米沢弁・会津弁など、自分なんかには区別がつかないほどこだわる一方、大阪河内弁などのリアリティは気にならないのかもしれない。これは残念だった。
「國語元年」
井上ひさし 作
明治7年の東京。学務局官吏南郷清之輔は全国話し言葉の統一案を作成するよう命じられる。清之輔邸に暮らす家族や使用人達の使う方言は様々。長州弁・鹿児島弁、江戸山ノ手言葉や下町言葉、南部遠野弁、羽州米沢弁、会津弁に大阪河内弁、名古屋弁に京都弁が入り乱れるなか繰り広げられるドタバタコメディー。
戯曲を読むと目の前で役者の演技を見ているわけではないので、どうしても潤いの部分がなく、骨組みだけを読む硬い印象を持ってしまう。とはいうもののこの話はコメディーのせいか、仕掛けが分かりやすく出来ており、どちらかといえば骨組みだけで進行している気もする。実際舞台を観れば笑ってしまうだろう。
ところが登場する大阪出身の女が使う河内弁が、男でも使わない乱暴で下品なもので、大阪北河内郡出身の自分としては読んでいて非常に不愉快だった。井上ひさしは山形出身なので東北地方の言葉は遠野弁・米沢弁・会津弁など、自分なんかには区別がつかないほどこだわる一方、大阪河内弁などのリアリティは気にならないのかもしれない。これは残念だった。
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