漫画家まどの一哉ブログ
「冬虫夏草」 梨木香歩
読書
「冬虫夏草」梨木香歩 作
本当は「家守綺譚」の方を先に読んでおくべきその続編。ちょっと昔の日本。主人公の作家は山裾の亡き友人宅に独居し、自然の只中で様々な小動物や妖怪、亡霊と共に暮らしている。優秀なる愛犬ゴローが行方不明になり、その後を追って鈴鹿山系目指して八方街道を奥へ奥へと旅する物語。山間に暮らす素朴な人々、そして天狗・河童・龍の化身やイワナの夫婦など、人間ならざる有象無象との出会いを描いた幻夢譚である。
ややもすれば孤独な主人公と移り行く自然の中で、ある種漂泊の虚無的な雰囲気を想像してしまうが、案外そんなことはなく肯定的で実に楽しい世界となっている。人と妖怪の間を生きる連中や小動物が可愛くて愉快だ。文章も古風な趣があるが基本的には現代文で、現代人でもすんなり入って行けるようになっております。最後に愛犬ゴローに邂逅するところは感動的。
「冬虫夏草」梨木香歩 作
本当は「家守綺譚」の方を先に読んでおくべきその続編。ちょっと昔の日本。主人公の作家は山裾の亡き友人宅に独居し、自然の只中で様々な小動物や妖怪、亡霊と共に暮らしている。優秀なる愛犬ゴローが行方不明になり、その後を追って鈴鹿山系目指して八方街道を奥へ奥へと旅する物語。山間に暮らす素朴な人々、そして天狗・河童・龍の化身やイワナの夫婦など、人間ならざる有象無象との出会いを描いた幻夢譚である。
ややもすれば孤独な主人公と移り行く自然の中で、ある種漂泊の虚無的な雰囲気を想像してしまうが、案外そんなことはなく肯定的で実に楽しい世界となっている。人と妖怪の間を生きる連中や小動物が可愛くて愉快だ。文章も古風な趣があるが基本的には現代文で、現代人でもすんなり入って行けるようになっております。最後に愛犬ゴローに邂逅するところは感動的。
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