漫画家まどの一哉ブログ
「ハイファに戻って/太陽の男たち」 カナファーニー
読書
「ハイファに戻って/太陽の男たち」ガッサーン・カナファーニー 作
第二次世界大戦後パレスチナがイスラエルに占領されていった時代を戦ったアラブの代表的作家の短編集。どの短編も面白く、はっとさせる展開や物語の構成に語り部としての腕がある。もちろん容易ならざる状況が作品の土台を支えているにせよ、それだけでは傑作にはならない。やはり表題作2編が名作だ。
「太陽の男たち」:水を運ぶ空のタンクの中に隠れてクェートヘ密入国しようとする3人の男たち。仲介人に金を払っても騙されて終わってしまう危険もある中、最も危険な方法を選ぶまでの経緯を一人ずつ書きおこし、いよいよ運転手の提案に乗って焦熱地獄の中をタンク内に隠れて関門を潜り抜けようとするスリリングな展開。悲劇の後、運転手の困惑で終わるところが見事。
「ハイファに戻って」:どのようにパレスチナ住民が突然住処から追い立てられ、親子は離れ離れになり、ユダヤ人が入植し、抵抗運動が始まったか。知らなかったことが小説の形でわかる。ユダヤ人として育てられた息子に20年ぶりに会ったアラブ人の夫婦の当惑と絶望。祖国とは何か?という問いが発せられるが、簡単な答えなどない。
「ハイファに戻って/太陽の男たち」ガッサーン・カナファーニー 作
第二次世界大戦後パレスチナがイスラエルに占領されていった時代を戦ったアラブの代表的作家の短編集。どの短編も面白く、はっとさせる展開や物語の構成に語り部としての腕がある。もちろん容易ならざる状況が作品の土台を支えているにせよ、それだけでは傑作にはならない。やはり表題作2編が名作だ。
「太陽の男たち」:水を運ぶ空のタンクの中に隠れてクェートヘ密入国しようとする3人の男たち。仲介人に金を払っても騙されて終わってしまう危険もある中、最も危険な方法を選ぶまでの経緯を一人ずつ書きおこし、いよいよ運転手の提案に乗って焦熱地獄の中をタンク内に隠れて関門を潜り抜けようとするスリリングな展開。悲劇の後、運転手の困惑で終わるところが見事。
「ハイファに戻って」:どのようにパレスチナ住民が突然住処から追い立てられ、親子は離れ離れになり、ユダヤ人が入植し、抵抗運動が始まったか。知らなかったことが小説の形でわかる。ユダヤ人として育てられた息子に20年ぶりに会ったアラブ人の夫婦の当惑と絶望。祖国とは何か?という問いが発せられるが、簡単な答えなどない。
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