漫画家まどの一哉ブログ
「ジャンキー」 バローズ
読書
「ジャンキー」ウィリアム・バローズ 作
やはり「裸のランチ」を読んでから読むべきだったかな?バロウズの初期自伝的長編。ビートニクと呼ばれる界隈が比較的苦手であまりピンとこないのだが、これはしっかりとしたルポとして読める話だった。クインシーやコクトーなど自身の中毒ぶりを縷々振り返った作品はあるが、売買行為のあれやこれやまで含めて描いたものは他にあまり知らない。もちろんエンターテイメントとしては巷に溢れているだろうが、そういうキャラクター化した人間描写ではない小説であります。
なんども止めようと思って事実止めてはいても、時間が経つとまたやってしまうという繰り返し。辞める時の苦しさはある程度書かれているが、また始める時はさほどの葛藤もないのが不思議だ。全編場所を変えてのこの繰り返しで、あまり起伏もなくペターっとした構成だが、克明な事実描写につられ、また実質的に自伝なのでそんなものかと思って読んだ。
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