漫画家まどの一哉ブログ
「五足の靴」 五人づれ
読書
「五足の靴」五人づれ 著
明治40年(1907)、与謝野寛(鉄幹)・平野萬里・北原白秋・吉井勇・太田正雄(木下杢太郎)の5人が連れ立って、北九州・長崎・熊本を旅した連載紀行文。誰とは名乗らず「五人づれ」の筆名で交代に書いたもの。
旅行記をそんなに読む方ではないがこれは面白かった。それは参加者が鉄幹以外まだ若く元気が漲っているからだろう。大人の紀行文にありがちな落ち着きがない。なにせ学生服で歩き回っているらしく、甲板波洗う船に揺られ、日も暮れた山中で迷い、三池炭鉱のエレベーターに乗って坑道を見学。風流というより冒険譚じみた雰囲気がある。それでもさすがに情景描写は詩情溢れる美しさで味わい深く、ところどころに挟まれる詩作品もたのしい。また5人で交代に書いているので、気付かないなりにも文章に変化があって飽きさせないのだろう。
阿蘇山の噴火口を覗き見るも、当初興奮していたがすぐ慣れてしまって、現代人(明治人)の昔の人々に比べて自然に対する崇高の念の失われていることに気付くところがよかった。
「五足の靴」五人づれ 著
明治40年(1907)、与謝野寛(鉄幹)・平野萬里・北原白秋・吉井勇・太田正雄(木下杢太郎)の5人が連れ立って、北九州・長崎・熊本を旅した連載紀行文。誰とは名乗らず「五人づれ」の筆名で交代に書いたもの。
旅行記をそんなに読む方ではないがこれは面白かった。それは参加者が鉄幹以外まだ若く元気が漲っているからだろう。大人の紀行文にありがちな落ち着きがない。なにせ学生服で歩き回っているらしく、甲板波洗う船に揺られ、日も暮れた山中で迷い、三池炭鉱のエレベーターに乗って坑道を見学。風流というより冒険譚じみた雰囲気がある。それでもさすがに情景描写は詩情溢れる美しさで味わい深く、ところどころに挟まれる詩作品もたのしい。また5人で交代に書いているので、気付かないなりにも文章に変化があって飽きさせないのだろう。
阿蘇山の噴火口を覗き見るも、当初興奮していたがすぐ慣れてしまって、現代人(明治人)の昔の人々に比べて自然に対する崇高の念の失われていることに気付くところがよかった。
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