漫画家まどの一哉ブログ
「ロシア革命100年の謎」
読書
「ロシア革命100年の謎」
亀山郁夫×沼野充義
1917年の革命より100年。レーニンの剛腕とソビエト連邦成立の初期から、現在のプーチンのロシアまでを文学・芸術の視点からトータルにふりかえるスケールの大きな対談集。稀代の翻訳家による対談だけに文学話のあれこれに期待したが、案外政体そのもの、そしてロシア人の国民性への言及が多かった。
スターリンが政権を掌握したしばらくまでは西欧の歴史との接点があったが、やがて強権政治が安定すると世界の歴史とのつながりはなくなって、ポストヒストリカルな世界になってしまう。
この停滞した社会主義リアリズムの時代を過ぎて、フルシチョフの雪解けの時代にやや歴史に顔を出したかと思うと、ブレジネフ体制からゴルバチョフの登場までまたもや歴史の彼方に雲隠れしてしまう。そんなソビエト社会主義の時代。報道や表現の自由はなく生活物資は粗末とはいえ、社会保障は安定しているので、一般の人々はのんびり暮らせた案外幸福な時代だったようだ。
時代が近づくにつれ知らない作家も増えるとは言え、自分の趣味からするともう少し作家のエピソードを増やして80%くらいは作家の話題でもよかった。
「ロシア革命100年の謎」
亀山郁夫×沼野充義
1917年の革命より100年。レーニンの剛腕とソビエト連邦成立の初期から、現在のプーチンのロシアまでを文学・芸術の視点からトータルにふりかえるスケールの大きな対談集。稀代の翻訳家による対談だけに文学話のあれこれに期待したが、案外政体そのもの、そしてロシア人の国民性への言及が多かった。
スターリンが政権を掌握したしばらくまでは西欧の歴史との接点があったが、やがて強権政治が安定すると世界の歴史とのつながりはなくなって、ポストヒストリカルな世界になってしまう。
この停滞した社会主義リアリズムの時代を過ぎて、フルシチョフの雪解けの時代にやや歴史に顔を出したかと思うと、ブレジネフ体制からゴルバチョフの登場までまたもや歴史の彼方に雲隠れしてしまう。そんなソビエト社会主義の時代。報道や表現の自由はなく生活物資は粗末とはいえ、社会保障は安定しているので、一般の人々はのんびり暮らせた案外幸福な時代だったようだ。
時代が近づくにつれ知らない作家も増えるとは言え、自分の趣味からするともう少し作家のエピソードを増やして80%くらいは作家の話題でもよかった。
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