漫画家まどの一哉ブログ
「ドクター・マリゴールド」朗読小説傑作選 ディケンズ
読書
「ドクター・マリゴールド」朗読小説傑作選
チャールズ・ディケンズ 作
(幻戯書房ルリユール叢書)
自作を朗読用に短く編集し、晩年に至るまで公開朗読公演を続けたディケンズ。朗読と言っても2時間以上一人でしゃべり続けるのだからたいへんだ。彼のようにもともと役者志望で人前に出るのが好きなタイプでないとやってられないだろう。
「クリスマス・キャロル」:メリハリがあって分かりやすい話なので、朗読にはぴったりの作品だ。
「デイヴィッド・コパフィールド」:夫思いのミコーバー夫人が才能ある夫をどうやって実業界で失地回復させるか、いろいろと策を挙げては自身で否定してゆくところが面白い。じつはすでに破産しているのだ。
「ドクター・マリゴールド」:妻と娘を伴った荷馬車生活をおくる叩き売り屋(雑貨の店頭販売のようなもの)の主人公。癇癪持ちの妻が娘を虐待するが、娘が病死してしまうとふさぎ込むようになり、ある日よその子供が母親に強く打たれている場面を目撃した後、川に身を投げて死んでしまう。この時代に虐待する親の心理にまで踏み込んで描写。また一人残された男の絶望的な孤独感にまでも及ぶなど、人間心理の把握が深く真実がある。
その後養女とした聾唖の娘に本をたくさん与え、聾唖学校へ入れて是非とも教養をつけさせようとするところも、生きていくために大切なものがなにか読者に伝えたかったのかもしれない。
「ドクター・マリゴールド」朗読小説傑作選
チャールズ・ディケンズ 作
(幻戯書房ルリユール叢書)
自作を朗読用に短く編集し、晩年に至るまで公開朗読公演を続けたディケンズ。朗読と言っても2時間以上一人でしゃべり続けるのだからたいへんだ。彼のようにもともと役者志望で人前に出るのが好きなタイプでないとやってられないだろう。
「クリスマス・キャロル」:メリハリがあって分かりやすい話なので、朗読にはぴったりの作品だ。
「デイヴィッド・コパフィールド」:夫思いのミコーバー夫人が才能ある夫をどうやって実業界で失地回復させるか、いろいろと策を挙げては自身で否定してゆくところが面白い。じつはすでに破産しているのだ。
「ドクター・マリゴールド」:妻と娘を伴った荷馬車生活をおくる叩き売り屋(雑貨の店頭販売のようなもの)の主人公。癇癪持ちの妻が娘を虐待するが、娘が病死してしまうとふさぎ込むようになり、ある日よその子供が母親に強く打たれている場面を目撃した後、川に身を投げて死んでしまう。この時代に虐待する親の心理にまで踏み込んで描写。また一人残された男の絶望的な孤独感にまでも及ぶなど、人間心理の把握が深く真実がある。
その後養女とした聾唖の娘に本をたくさん与え、聾唖学校へ入れて是非とも教養をつけさせようとするところも、生きていくために大切なものがなにか読者に伝えたかったのかもしれない。
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