漫画家まどの一哉ブログ
「オデッサ物語」
読書
「オデッサ物語」
イサーク・バーベリ 作
ソビエト連邦黎明期。黒海に面するウクライナの地方都市オデッサに育った作者が、当時のユダヤ人社会を舞台に語る短編物語集。伝説のギャング「ベーニャ・クリク」を主人公にした数編と、作者自身の少年時代をふりかえる自伝的小説などで構成される。この自伝的小説がおもしろかった。
多人種社会であるオデッサで結束固く生きるユダヤ人ゲットーの様子。彼らはひっそりと暮らし、めったに他地域を出歩かないので、物語は大自然とは無縁の薄暗い室内的な印象で推移する。なりわい一筋の頑固で誇り高い男たちの中で秀才として育ち、上位の学校教育を受けようとする少年時代の作者。ユダヤ人社会が差別的テロリズムの犠牲となって死者が出るといった過酷な現実の中で、常に大きな空想を抱いたまま大人になっていく。おお、これぞ芸術家。
「オデッサ物語」
イサーク・バーベリ 作
ソビエト連邦黎明期。黒海に面するウクライナの地方都市オデッサに育った作者が、当時のユダヤ人社会を舞台に語る短編物語集。伝説のギャング「ベーニャ・クリク」を主人公にした数編と、作者自身の少年時代をふりかえる自伝的小説などで構成される。この自伝的小説がおもしろかった。
多人種社会であるオデッサで結束固く生きるユダヤ人ゲットーの様子。彼らはひっそりと暮らし、めったに他地域を出歩かないので、物語は大自然とは無縁の薄暗い室内的な印象で推移する。なりわい一筋の頑固で誇り高い男たちの中で秀才として育ち、上位の学校教育を受けようとする少年時代の作者。ユダヤ人社会が差別的テロリズムの犠牲となって死者が出るといった過酷な現実の中で、常に大きな空想を抱いたまま大人になっていく。おお、これぞ芸術家。
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