漫画家まどの一哉ブログ
「まっぷたつの子爵」 カルヴィーノ
読書
「まっぷたつの子爵」カルヴィーノ 作
著者の初期寓意小説。
トルコ軍との戦闘で被弾し、体全体がまっぷたつに分かれてしまった子爵。懸命の手術の結果右半分だけの姿となって村へ帰ってくるが、彼は良心を失った悪意の塊となっており、権威に物を言わせて悪事を働きまくるのであった。するとしばらくして、密かに治療され一命をとりとめた左半身が村へ帰還し、反対に彼は善意の塊であって、この二人の対立に村は混乱するのだった。
「不在の騎士」につながるナンセンスな設定を生かした寓意小説。悪意と善意が対照的だが、あまりにも潔癖な善意が必ずしも村人に受け入れられるとは限らないのが面白い。モラルの両面を風刺していると読めるが、解説によると当時のイタリアの内戦状態(同民族同士の殺し合い)を想定しているらしい。
いずれにしてもとっても楽しいお話。
「まっぷたつの子爵」カルヴィーノ 作
著者の初期寓意小説。
トルコ軍との戦闘で被弾し、体全体がまっぷたつに分かれてしまった子爵。懸命の手術の結果右半分だけの姿となって村へ帰ってくるが、彼は良心を失った悪意の塊となっており、権威に物を言わせて悪事を働きまくるのであった。するとしばらくして、密かに治療され一命をとりとめた左半身が村へ帰還し、反対に彼は善意の塊であって、この二人の対立に村は混乱するのだった。
「不在の騎士」につながるナンセンスな設定を生かした寓意小説。悪意と善意が対照的だが、あまりにも潔癖な善意が必ずしも村人に受け入れられるとは限らないのが面白い。モラルの両面を風刺していると読めるが、解説によると当時のイタリアの内戦状態(同民族同士の殺し合い)を想定しているらしい。
いずれにしてもとっても楽しいお話。
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