漫画家まどの一哉ブログ
「崖」
映画(mixi過去日記)
「崖」
1955年
監督 フェデリコ・フェリーニ
出演 ブローデリック・クロウフォード他
詐欺師として生きる中年男の話。
「この仕事に家族があっちゃいけない。いつどこへでも動ける身軽さがないと」
やっぱりアウトローは孤独が信条か。画家志望の仲間は、女房に隠して詐欺で稼いだ金を、すべて女房に渡していたが、やがて夫婦仲は破綻する。主人公の中年男も、離れて暮らす娘に偶然出会い、進学のための費用を工面することを約束してしまう。
この進学費用30万リラという金額は、物語の最後に貧しい農家から、聖職者のふりをして贋の宝物とひきかえにせしめる金額35万リラと、繋がってくる。その農家には自分の娘と同年代の足の不自由な健気な娘がいて、その娘に祝福を請われたとき、さすがの詐欺師の良心も動揺を来すのだった。
主人公は、仲間を偽って金を独り占めしようとするが結局失敗。フクロにされて崖下に放り出された翌朝、崖上を通る土地の子供達にかけた声は届かなかった。
というぐあいで、悪人の心も揺れるが、けっして善人にもなりきれないところがイイですねえ。ほんとうの詐欺師は平気でウソをつく人だから、もうちょっとイヤな人間だと思うが、映画ではフツーの人として描かれていた。いやいや人間はなかなかに二重三重の人格を持ってるから、天使でもあり悪魔でもあり。でもこの映画では、ふつうの人間の情けない面が見れてよかった。
ところで群衆のシーンがすごくおもしろいが、これってフェリーニ流なのか?
「崖」
1955年
監督 フェデリコ・フェリーニ
出演 ブローデリック・クロウフォード他
詐欺師として生きる中年男の話。
「この仕事に家族があっちゃいけない。いつどこへでも動ける身軽さがないと」
やっぱりアウトローは孤独が信条か。画家志望の仲間は、女房に隠して詐欺で稼いだ金を、すべて女房に渡していたが、やがて夫婦仲は破綻する。主人公の中年男も、離れて暮らす娘に偶然出会い、進学のための費用を工面することを約束してしまう。
この進学費用30万リラという金額は、物語の最後に貧しい農家から、聖職者のふりをして贋の宝物とひきかえにせしめる金額35万リラと、繋がってくる。その農家には自分の娘と同年代の足の不自由な健気な娘がいて、その娘に祝福を請われたとき、さすがの詐欺師の良心も動揺を来すのだった。
主人公は、仲間を偽って金を独り占めしようとするが結局失敗。フクロにされて崖下に放り出された翌朝、崖上を通る土地の子供達にかけた声は届かなかった。
というぐあいで、悪人の心も揺れるが、けっして善人にもなりきれないところがイイですねえ。ほんとうの詐欺師は平気でウソをつく人だから、もうちょっとイヤな人間だと思うが、映画ではフツーの人として描かれていた。いやいや人間はなかなかに二重三重の人格を持ってるから、天使でもあり悪魔でもあり。でもこの映画では、ふつうの人間の情けない面が見れてよかった。
ところで群衆のシーンがすごくおもしろいが、これってフェリーニ流なのか?
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