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漫画家まどの一哉ブログ

   
「耽溺」
読書
「耽溺」
岩野泡鳴
 作

明治時代の小説でよくわからないのは、金を出して芸者を受け出して妾にするという行為だ。もちろん本妻あってのはなしで、それがどれくらい普通のことだったのか、道義的にも金銭的にも程度がわからない。
これもそんな話で、作者がある田舎芸者に惚れ込んでしまって、芸者を止めさせて女優にする算段をたてるが、あれやこれや他の男どもも入り組んだことになってままならない。そんな顛末を描いた自然主義文学の代表作で、作者はただ耽溺することを目指している。

泡鳴と言えば文学史的には半獣主義者として有名で、なんでも欲望の赴くままに行動して、主観のままに描写するという勢いのあるスタンスである。そのせいか飾らない文体が気持ち良くて、会話もリアルだし、楽しく読めた。赤裸裸と言えば赤裸裸だが、案外作者は冷静なもので、愛欲と苦悩が描かれているといった印象はなかった。
つまり作者の耽溺は意識的なものであって、なかなか耽溺しきらない自分に納得いかないという私小説なんじゃなかろうか?

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