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「科学者はなぜ神を信じるのか」 三田一郎
読書
「科学者はなぜ神を信じるのか」三田一郎 著
(講談社ブルーバックス)


自身もカトリック教徒であり理論物理学者である著者が、物理学史を通してかねてよりの疑問を解説。しだいに狭まってくる神の領域だが果たして…。

本書の大半はコペルニクスから始まる宇宙観および物理学の発達史であり、科学史に興味のある青少年や数学が苦手な文系人間にとって解りやすい科学読み物となっていて、そうそう信仰の話がでてくるわけではない。ガリレオやニュートンの頃は全て造物主のなせるわざであるのは当然なので、何を発見しても科学者でありながら敬虔なキリスト教徒であることに何の矛盾もない。しかし彼らの発見によって神の領域はだんだんと狭められていく。

アインシュタインはあくまで絶対者を信じていたから、この宇宙は美しく整合性のあるものとして理解しようとする。この態度とその後の不確定な世界を発見した量子力学者ボーアやハイゼンベルクらとの論争は、神の存在自体が問題とされているようなものだが、シュレーディンガーやパウリら個々の物理学者がどういう信仰をもっていたかまでは書かれていない。

ペンローズやホーキングが登場するにしたがって、いよいよ神の領域はなくなってしまうが、著者の告白にもあるとおりこの宇宙が始まりも終わりもなく存在しているにせよ、矛盾なき科学法則や大統一理論は偶然にはありえない。そこにはどうしても超越者の意思を感じてしまう。というところに解答があるようだ。

私自身はドーキンスの「神は妄想である」を以前に読んで満足している。

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