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「社会契約論」 重田園江 
読書
「社会契約論」 重田園江 


副題は「ホッブス、ヒューム、ルソー、ロールズ」これら4人の社会思想家を繙きながら、社会契約のなんたるかを解き明かす研究。読みやすい文章で今さら本気で社会科学をする気もない自分にぴったりの解説書。ちなみに自分は若年の頃、本家ルソーの「社会契約論」は手に取ったがとうぜん解らなかった。ホッブスは読んだことないが、巻末に紹介されている文献の中では長尾龍一の「リヴァイアサン」は楽しく読んだ。


闘争に明け暮れる自然状態に置かれた人間が、どうして社会契約を選択するに至るか?平和がいいのは解っていても、どうして相手を信用することができるのか?ここにある飛躍がホッブス問題である。このなぜ政治共同体が生まれたのか?という問題設定がまことにスリリングで興味深くわくわくとする。


中核となるルソーの一般意志について著者は難解である旨再三ことわっているが、これは案外わかりやすい。他人と同じように自己を尊重されたいという相互性の観点から説かれると納得しやすい。利己的な個人が共同体の中に先ず自己の利益を見出し、自分も他の大勢と同じ権利を得たいと思うこと。他人の幸福の為に働く、その他人の中に自分も混じっている。これが特殊意志ではなく一般意志であるのは理解できる。


わからないのはロールスの原初状態と無知のヴェールだ。これは思考実験として語られているのか?自己について何の情報も持たない、特殊個別的な個人から隔てられているゆえに、社会的公正を選択せざるを得ない原初状態。この設定から出発するのは自分にはどうしても無理だ。抽象的すぎる。

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