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「三位一体の神話」

読書

「三位一体の神話

大西巨人 作 

 

これだけ硬派な潤いのない文体で、なぜ迫真のミステリーたりえているのか?大西巨人は不思議な作家だ。とはいえ日本文学史上の巨星であってみれば、自分の非力な読書力がそう思わせているのかもしれない。情感に訴えるところまるでなく、ただただ論理的に細密に事実を繋ぎ合わせ、モザイク的に構成されるこの大西スタイルは、意外にも引き込まれてしまって快感なのである。

遅筆で有名な小説家Aがベッドの上で服毒死していた。実はどうしてもかなわない小説家Aの本物の才能を妬み、また作品内で自身の出自を暴露されることを恐れた小説家Bによる自殺に見せかけた完全犯罪であった。残された遺書の筆跡鑑定でも疑いはかからない。 小説家Aの死後、作品全集を編集する若き編集者Cは、発見された未発表原稿から遺書のトリックを解き明かし、犯人である小説家Bに迫るがついに第2の殺人の犠牲者となってしまう。 しかしこの第2の殺人のとき滞米を装った小説家Bのアリバイは、ある偶然から崩れていくのだった。

作品内ではたしかに創作に対する社会に開かれた作家の姿勢など、テーマを見つけて読むことも出来るが、自分はただミステリーとして充分おもしろかっただけで、それがこの文体で味わえたのだからこんな経験は他にないと思う。

 

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