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漫画家まどの一哉ブログ

   
「ロミオとジュリエット」 シェイクスピア
読書
「ロミオとジュリエット」
シェイクスピア 作
(新潮文庫)

福田恆存の訳で新潮文庫のシリーズを読んできたが、今回は中野好夫訳だった。これまた古風な味わいがあるが、古き昭和の東京下町言葉の面影を感じる。

もともとセリフが大げさなのは仕方がないが、ほとんど無駄口と思われるほど冗談や駄洒落・下ネタが多く、壮絶な悲劇として抱いていた印象とまるで違う。これは登場人物マキューシオの冗談好きの減らず口という性格設定のためもあるが、こんなにジョークが必要だろうか。
解説でわかったのだが、シェイクスピアの時代の舞台には背景の書割といったものがなく、情景描写はひたすら登場人物のセリフによってなされるという事情があるのも、セリフが長大な所以らしい。

恋にトチ狂った若者の導き役として登場する僧ロレンスが物語を落ち着かせる役割をしていて、話がまとまっていく気がする。まともな大人はこの人くらいで、モンタギュー、キャピュレット両家の両親は明らかに頑迷な人物だがこれは役どころだから仕方がない。ジュリエットの乳母は味方なのか敵なのか、ころころ態度を変えるまことに人間味あふれるキャラクターだった。

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