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「みずうみ」 川端康成
読書
「みずうみ」川端康成 作

川端康成は、いわく言いがたい気味悪さがあってあまり読んでいないが、これは輪をかけた不気味な小説。というのも主人公はストーカーで、彼の心理をそのままなぞってゆく形で話が進行するからだ。それこそストーカーならではの身勝手な思考で、何の関係もない行きずりの美少女を見とがめると、まさに自分のために現れたかのような天恵を受けて後をつける。彼にとっては見知らぬ美少女と自分とは既に無縁の仲ではないのだ。そして少女の方でもわざと自分に後をつけさせていると妄想するところまで発展している。これはいかにも気持ちが悪い。


小説は主人公が少年時から抱いてきた女性に対する執着を、彼の心のままに行きつ戻りつしながら進んでいく。彼が教職を追われることとなった女子生徒との交際は現実である。しかし自分にはそんな美少女よりも、話の最後におでん屋で酒を飲むことになった行きずりのうらぶれた不美人な女性との交流がいちばん現実味があってよかった。


川端康成の美しさというのは、伝統的な日本美というより、もっとなにかぬらぬらした感触があって気味が悪い。その気味悪さの正体がなにかよくわからない。実は性的なものがあけすけになっているのかもしれない。この作品もひょっとしたら異端の名作・奇書の部類に入るかもしれない。

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