漫画家まどの一哉ブログ
「黒いダイヤモンド」 ジュール・ヴェルヌ
読書
「黒いダイヤモンド」ジュール・ヴェルヌ 作
(文遊社)
私は小学3~4年のころ「空飛ぶ戦艦」「地底探検」「海底2万マイル」などシリーズで出ていたヴェルヌの作品を楽しんでいた。それ以来のヴェルヌ。
舞台がかつて炭鉱で栄えた街であったとしても、炭鉱生活への想いが断ち切れず深い深い穴の奥に小屋を建てて一生をそこで暮らしている家族という設定はあんまりではなかろうか。そんな人間がいるだろうか。
新しい炭層の発見を目論む主人公たちと、それを邪魔しようとする謎の住人のサスペンスが始まったと思いきや話は中断し、新炭層開発後発展した地下都市の様子が語られ、その後やっと謎の解明は再開される。この展開はやや奇妙で、なぜ一気にスペクタクルへと向かわないのか。やはり地底深くで生まれ育ちまだ一度も外の世界を知らない少女が育っていくところを書いておきたかったのか。またその少女とともにスコットランド湖水地方の風光明媚を延々と紹介するシーンもどうしてもいれておきたいという心積りだったか。
結局最後に謎の悪人の正体は判明し、死を迎えて物語は終わる。エンターテインメントの定石どおりに話は進むが、私にとってエンターテインメントがつまらないのはその辺の人畜無害さ加減なので、やや退屈な面もあった。しかし地下世界が好きなのでなんとか通読することができた。
設備もランプから電灯へと移り変わってゆく。石炭をエネルギーの主力として産業が発展していった時代を感じる。
誤植
「黒いダイヤモンド」ジュール・ヴェルヌ 作
(文遊社)
私は小学3~4年のころ「空飛ぶ戦艦」「地底探検」「海底2万マイル」などシリーズで出ていたヴェルヌの作品を楽しんでいた。それ以来のヴェルヌ。
舞台がかつて炭鉱で栄えた街であったとしても、炭鉱生活への想いが断ち切れず深い深い穴の奥に小屋を建てて一生をそこで暮らしている家族という設定はあんまりではなかろうか。そんな人間がいるだろうか。
新しい炭層の発見を目論む主人公たちと、それを邪魔しようとする謎の住人のサスペンスが始まったと思いきや話は中断し、新炭層開発後発展した地下都市の様子が語られ、その後やっと謎の解明は再開される。この展開はやや奇妙で、なぜ一気にスペクタクルへと向かわないのか。やはり地底深くで生まれ育ちまだ一度も外の世界を知らない少女が育っていくところを書いておきたかったのか。またその少女とともにスコットランド湖水地方の風光明媚を延々と紹介するシーンもどうしてもいれておきたいという心積りだったか。
結局最後に謎の悪人の正体は判明し、死を迎えて物語は終わる。エンターテインメントの定石どおりに話は進むが、私にとってエンターテインメントがつまらないのはその辺の人畜無害さ加減なので、やや退屈な面もあった。しかし地下世界が好きなのでなんとか通読することができた。
設備もランプから電灯へと移り変わってゆく。石炭をエネルギーの主力として産業が発展していった時代を感じる。
誤植
p187 彼は一国も無駄にしなかった。(○ 一刻も)
p191 おれから15分のちに(○ それから15分)
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