漫画家まどの一哉ブログ
「魔法使いの弟子」 ジョルジュ・バタイユ
読書
「魔法使いの弟子」ジョルジュ・バタイユ 著
(景文館書店)
たしかに激しい恋愛は人生において最も魅惑的な時間であり、偶然と運命に身を任せた、打算と計算を排除した本来的な喜びである。バタイユは次々と燃えるような恋愛をくり返した人だそうだが、たいがいの人はそうもいくまい。あっても一生に一度、わるくすれば一度も燃えるような恋愛を体験せずに生涯を終える人も多いと考える。そして人生の多くの時間は恋愛以外の、意図された生産に使われて終わるのも仕方のないことである。愛しあう二人が初期の燃え上がる心を、燠火のごとく静かに燃やし続けながら寄り添いあっていければ幸せであろう。
それにしてもこの原理を一体性という手がかりを元に社会全体へと敷衍していくのはどうだろうか。確かに原始共同体の宗教的な儀式における一体感と恍惚といったものはそれだろうが、硬直沈滞した社会が見失っていたものを突きつける意味はあるのかもしれない。
いずれにせよ人生は生きがいなどであがなえるものではないのは確かだ。
「魔法使いの弟子」ジョルジュ・バタイユ 著
(景文館書店)
たしかに激しい恋愛は人生において最も魅惑的な時間であり、偶然と運命に身を任せた、打算と計算を排除した本来的な喜びである。バタイユは次々と燃えるような恋愛をくり返した人だそうだが、たいがいの人はそうもいくまい。あっても一生に一度、わるくすれば一度も燃えるような恋愛を体験せずに生涯を終える人も多いと考える。そして人生の多くの時間は恋愛以外の、意図された生産に使われて終わるのも仕方のないことである。愛しあう二人が初期の燃え上がる心を、燠火のごとく静かに燃やし続けながら寄り添いあっていければ幸せであろう。
それにしてもこの原理を一体性という手がかりを元に社会全体へと敷衍していくのはどうだろうか。確かに原始共同体の宗教的な儀式における一体感と恍惚といったものはそれだろうが、硬直沈滞した社会が見失っていたものを突きつける意味はあるのかもしれない。
いずれにせよ人生は生きがいなどであがなえるものではないのは確かだ。
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