漫画家まどの一哉ブログ
「馬」
読書(mixi過去日記より)
「馬」
小島信夫 作
小島信夫は2~3冊持っているのだが、
新潮文庫で改版された「アメリカン・スクール」が出たので買ってみた。
8編の短編のうちには既読のものもあるが、やはりたのしい。
そのうちの一編「馬」を紹介。
主人公の知らないうちに、自宅庭で増築工事が始まった。すべて妻のへそくりと画策によるものらしい。その二階屋の二階に自分は住むことになっているのだが、なんと一階には馬が住むという。腹を立てた自分は大工の棟梁を殴りつけようとして、梯子から落ち病院へかつぎこまれた。病院の窓から自宅を見ると、妻は頭領とできているようだし、よく見ると頭領と思った人影は自分のようでもある。どうやらここは脳病院のようで、やがて精悍な馬がやってきて、妻は日ごとに馬べったりの暮らしをおくり、自分はなんとか馬を征服しようと試みるのだが…。
つげ義春の夢漫画を読んでいるようなシュールな感覚。日本幻想文学中、十指にあげるかもしれないくらい気に入りました。
その他「鬼」「小銃」「星」など、主人公の私はつねに世界との関係で、ほんろうされるばかりだ。
例によって解説は保坂和志。
「馬」
小島信夫 作
小島信夫は2~3冊持っているのだが、
新潮文庫で改版された「アメリカン・スクール」が出たので買ってみた。
8編の短編のうちには既読のものもあるが、やはりたのしい。
そのうちの一編「馬」を紹介。
主人公の知らないうちに、自宅庭で増築工事が始まった。すべて妻のへそくりと画策によるものらしい。その二階屋の二階に自分は住むことになっているのだが、なんと一階には馬が住むという。腹を立てた自分は大工の棟梁を殴りつけようとして、梯子から落ち病院へかつぎこまれた。病院の窓から自宅を見ると、妻は頭領とできているようだし、よく見ると頭領と思った人影は自分のようでもある。どうやらここは脳病院のようで、やがて精悍な馬がやってきて、妻は日ごとに馬べったりの暮らしをおくり、自分はなんとか馬を征服しようと試みるのだが…。
つげ義春の夢漫画を読んでいるようなシュールな感覚。日本幻想文学中、十指にあげるかもしれないくらい気に入りました。
その他「鬼」「小銃」「星」など、主人公の私はつねに世界との関係で、ほんろうされるばかりだ。
例によって解説は保坂和志。
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