漫画家まどの一哉ブログ
「第三の嘘」 アゴタ・クリストフ
読書
「第三の嘘」
アゴタ・クリストフ 作
「悪童日記」「ふたりの証拠」に続く三部作の最終話。主人公の双子は50歳を越えて、子供時代を過ごした懐かしの街で再会を目指す。とは言ってもこの三部作に一直線につながったストーリーがあるわけではなく、彼らによって語られる物語のどれが真実でどれが嘘かはあきらかではない。
作者は当初から三話書くつもりではなく、「悪童日記」の設定を使ってまた別の話を書いてみたといった経緯のようだ。それがかえって複層的な効果を生んで、稀代の名作が完成した。
第一部「悪童日記」では作者の頭の中にのみあって書かれなかった設定や、前二作で書かれたことをあとから伏線として利用するなどしたのか、合わせて読むと見事にモザイク的な面白さ。読者にとっては謎のままだが、いくつもの真実がある世界が出来上がる。しかし基本的には主人公の、社会から外れたところで独力で生きている、人並み外れて頭の良い双子の魅力があってこそ成功した作品だ。たしかにちょっと捨てがたいキャラクターです。
「第三の嘘」
アゴタ・クリストフ 作
「悪童日記」「ふたりの証拠」に続く三部作の最終話。主人公の双子は50歳を越えて、子供時代を過ごした懐かしの街で再会を目指す。とは言ってもこの三部作に一直線につながったストーリーがあるわけではなく、彼らによって語られる物語のどれが真実でどれが嘘かはあきらかではない。
作者は当初から三話書くつもりではなく、「悪童日記」の設定を使ってまた別の話を書いてみたといった経緯のようだ。それがかえって複層的な効果を生んで、稀代の名作が完成した。
第一部「悪童日記」では作者の頭の中にのみあって書かれなかった設定や、前二作で書かれたことをあとから伏線として利用するなどしたのか、合わせて読むと見事にモザイク的な面白さ。読者にとっては謎のままだが、いくつもの真実がある世界が出来上がる。しかし基本的には主人公の、社会から外れたところで独力で生きている、人並み外れて頭の良い双子の魅力があってこそ成功した作品だ。たしかにちょっと捨てがたいキャラクターです。
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