漫画家まどの一哉ブログ
「演劇とその分身」 A・アルトー
読書
「演劇とその分身」A・アルトー 著
(河出文庫)
60・70年代日本の前衛演劇界に多大な影響を与えた本書は、その世界の人々にとっては今更ながらの古典であろうが、私のように演劇・舞台芸術に縁のない人間にとっては、とりあえずアルトーの思想に知識として触れておくといった読書となります。
西洋の演劇が台本に基づいたセリフ本位の心理劇といった底浅いものになってしまっていることを批判。インドネシア・バリ島の演劇のように言語以外の身体的表現を多用した演劇空間に立ち返るべきではないか。そのための方法としてダンス・歌・パントマイムその他スペクタクルを活用、言語的な演劇から運動・形態・色彩・振動・姿勢・叫びを総動員した演劇へ。
アルトーはひたすら純粋に観念的に理想を膨らませるが、友人への手紙で本人も言っている通り「私のやりたいことは、言うよりやるほうが簡単である」というものなので、当時アルトーの見たバリ島の演劇含めて、過去に戻って彼の企画した実演を見るほうがほんとうは早い。
アルトーの言う「残酷の演劇」の残酷とはこの世に生きるリアリズムのような、生きることの覚悟のような意味と思われたが、違うかもしれない。
「演劇とその分身」A・アルトー 著
(河出文庫)
60・70年代日本の前衛演劇界に多大な影響を与えた本書は、その世界の人々にとっては今更ながらの古典であろうが、私のように演劇・舞台芸術に縁のない人間にとっては、とりあえずアルトーの思想に知識として触れておくといった読書となります。
西洋の演劇が台本に基づいたセリフ本位の心理劇といった底浅いものになってしまっていることを批判。インドネシア・バリ島の演劇のように言語以外の身体的表現を多用した演劇空間に立ち返るべきではないか。そのための方法としてダンス・歌・パントマイムその他スペクタクルを活用、言語的な演劇から運動・形態・色彩・振動・姿勢・叫びを総動員した演劇へ。
アルトーはひたすら純粋に観念的に理想を膨らませるが、友人への手紙で本人も言っている通り「私のやりたいことは、言うよりやるほうが簡単である」というものなので、当時アルトーの見たバリ島の演劇含めて、過去に戻って彼の企画した実演を見るほうがほんとうは早い。
アルトーの言う「残酷の演劇」の残酷とはこの世に生きるリアリズムのような、生きることの覚悟のような意味と思われたが、違うかもしれない。
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