漫画家まどの一哉ブログ
「夫婦善哉 正続」 織田作之助
読書
「夫婦善哉 正続」織田作之助 作
(岩波文庫)
2007年に発見され未発表の「夫婦善哉続編」を含めてあらたに編集された短編集。
さすがに商都大阪というわけではないが、主人公たちのほとんどが日々の経済活動に追われる様子が描かれる。とはいってもとうぜん経済小説ではないのだが、「俗臭」「子守唄」などは会社の話が多くてつまらない。「黒い顔」のように、まるで出世しない地方出身の二人が、やがて映画技師になったり三文役者になったり、夢が半分かなったようなかなわなかったような話がしみじみして良い。
どの人生も走馬灯のごとく駆け足であれよあれよという感じで進んで行く。一人の人生の何十年か分を、要所要所に会話をはさみながら語り部目線であっという間に駆け抜ける。こういう書き方をなんというか、呼び方があるかもしれない。
それとは別に阪田三吉を書いた「聴雨」。自身の思い出の地での体験を書いた「木の都」などは、ゆっくりとした現在進行形の落ち着いた書き方で味わいがあった。案外こういうものがおもしろかった。
「夫婦善哉 正続」織田作之助 作
(岩波文庫)
2007年に発見され未発表の「夫婦善哉続編」を含めてあらたに編集された短編集。
さすがに商都大阪というわけではないが、主人公たちのほとんどが日々の経済活動に追われる様子が描かれる。とはいってもとうぜん経済小説ではないのだが、「俗臭」「子守唄」などは会社の話が多くてつまらない。「黒い顔」のように、まるで出世しない地方出身の二人が、やがて映画技師になったり三文役者になったり、夢が半分かなったようなかなわなかったような話がしみじみして良い。
どの人生も走馬灯のごとく駆け足であれよあれよという感じで進んで行く。一人の人生の何十年か分を、要所要所に会話をはさみながら語り部目線であっという間に駆け抜ける。こういう書き方をなんというか、呼び方があるかもしれない。
それとは別に阪田三吉を書いた「聴雨」。自身の思い出の地での体験を書いた「木の都」などは、ゆっくりとした現在進行形の落ち着いた書き方で味わいがあった。案外こういうものがおもしろかった。
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